しくみデザインの代表取締役/CEOの中村俊介氏 |
しくみデザインは13日、Intel RealSense 3Dカメラに対応したWindows PC向けの楽器アプリケーション「KAGURA」を発表した。14日より日本を含むワールドワイドに向けて、無料で提供を開始する。これに合わせて都内で記者会見を開催し、「KAGURA」の概要を説明した。
説明会に登場したしくみデザイン 代表取締役/CEO 中村俊介氏によると、しくみデザインは2005年に設立。デザイナー、エンジニアなど総計10名の会社だが、カメラを使ったデジタルコンテンツに強みを持っており、700件以上の実績を持っているという。中村氏は「10年もカメラに関することをやっている会社はうちだけでは?」と豊富な経験をアピールする。
最近の事例。グランツリー(神奈川県川崎市)、OLD NAVYのサイネージやお台場合衆国の体験ゲーム、絵本ミュージアム(福岡アジア美術館でのイベント) |
ゲスト参加型だけでなく、SMAPやTRFなどライブでの画像作成にも携わっているという |
今回発表したKAGURAは、Intelが主催のアプリ開発コンテスト「Intel Perceptual Computing Challenge」で、最優秀作品に選ばれた「KAGURA for PerC」をベースに、一般向けアプリとして提供されるものだ。
2014年のCES 2014のIntel基調講演で登場したのが「KAGURA for PerC」。世界16カ国、約2,800件の応募作品の中から最優秀作品に選ばれた。2D/3Dの処理だけでなくUI/UXが高く評価された |
受賞してから1年が経過しての一般リリースとなるが、中村氏はその理由として、2014年にRealSense TechnologyのSDKが大幅に変更され、対応が必要だったこと、そもそも2014年の段階ではRealSense対応のPCが一般に発売されていなかったこと、そして一般ユーザーの使用に耐える完成度にするために期間が必要だったことという3つの理由を挙げる。
KAGURAは画面に表示されている楽器を「体で触れる」ことで鳴らすことができるアプリケーションで、楽器を鳴らす部分に関しては2Dの画像解析で行っているため、KAGURAはwebカメラのあるPCでも動作させることが可能だ。
KAGURA |
また、RealSense Technologyカメラ搭載PCの場合は、3D画像解析を利用して、楽器(音アイコン)の位置変更や、BGMのテンポを上げ下げするという操作が行える。
KAGURAの画面。左右にあるのがメロディやベースを奏でる楽器で、手の周囲にある丸いものが打楽器。この範囲に動きがあれば鳴らすことができ、認識さえされれば手でなくてもよい(KAGURA for PerCのデモビデオではピコピコハンマーで鳴らしていた) |
KAGURAが優れているのは、手をディスプレイに近づけると画面に波紋のエフェクトが表示されるので、手とディスプレイの距離が縮まっていることを直感的に理解できる点だ。このあたりのUI表現がIntel Perceptual Computing Challengeでの高評価に結び付いたという。
KAGURAの画面。左右にあるのがメロディやベースを奏でる楽器で、手の周囲にある丸いものが打楽器。この範囲に動きがあれば鳴らすことができ、認識さえされれば手でなくてもよい(KAGURA for PerCのデモビデオではピコピコハンマーで鳴らしていた) |
KAGURAの画面。左右にあるのがメロディやベースを奏でる楽器で、手の周囲にある丸いものが打楽器。この範囲に動きがあれば鳴らすことができ、認識さえされれば手でなくてもよい(KAGURA for PerCのデモビデオではピコピコハンマーで鳴らしていた) |
テンポや音程はBGMからKAGURAが自動的に判断して狂わないようにしているため、PCの前で適当に体を動かしているだけでもそれなりに楽しめるものになっている。初期パッケージには4つのサンプルが用意されているほか、後日追加パッケージも提供するという。