日立製作所はこのほど、台湾鉄路管理局から特急型電車TEMU1000形16両(2編成)を追加受注したと発表した。今年度中に納入され、2016年6月以降の運行開始が予定されている。
TEMU1000形はコンピュータ制御による自動振子装置を搭載した特急型電車。曲線区間では自動的に曲線の度合に合わせて車体を最大5度傾斜させ、快適な乗り心地と速度を両立している。制御付自動振子装置を搭載していない車両と比べて、曲線通過速度を時速25km向上させたという。
日立製作所は2006年・2007年にも、24両ずつ計48両(6編成)のTEMU1000形を台湾鉄路管理局に納入。台湾西部の斗六(ドウリュー)から台北を経由し、曲線区間の多い北部の沿海付近を抜け、東部の寿豊(ショウフォン)までの総営業距離443kmの路線で2007年5月から運用されている。振子式車両を導入することで、曲線区間の多い路線でも既存のインフラを生かしたまま、高速性と快適性を向上させることに成功した。
納入済みのTEMU1000形に関して、台湾鉄路管理局は乗り心地、デザイン、品質・信頼性などに加え、運行実績や日立のアフターサービスなどを高く評価しており、今回の追加発注に至ったとのこと。