富士通研究所は13日、手書き入力機能とNFCタグリーダーを搭載した指輪型デバイスを開発したと発表した。2015年度中の実用化を目指していくという。
富士通研究所が開発した指輪型デバイスは、工場やビルのメンテナンスなどの作業現場で作業の手を止めることなくICTを活用するために開発されたもの。親指で本体のボタンを押すことで空中での文字入力が可能。デバイスに内蔵されたセンサーの情報から、空中で手書きをする指先の運動成分を抽出し、その軌跡を利用して手書き文字を入力認識する。現場作業で多く使われる数字入力に関しては、入力するための訓練をすることなく約95%の認識率を達成している。
また、空中で文字を書く場合、文字を構成する線と書き出しまでの移動とを区別する必要があるため、一筆書きで文字を入力する方式を採用した。今回開発された技術では、一筆書きの軌跡から文字として不要な連結部分を自動的に認識して、軌跡データを補正することが可能となっている。
そのほか、指先でのタッチを検出するNFCタグリーダーや、モーションセンサー(加速度センサー、ジャイロセンサー、磁気センサー)を搭載。各構成部品を最適に配置し、さらなる省電力化によりボタン型バッテリーを採用することで小型化を実現した。
今後、同研究所では、実際の現場で操作性などの検証を行い、2015年度中の実用化を目指していく。