説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「ソフトウェアキーボードで「半角カナ」を入力できますか?」という質問に答えます。

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iOSに標準装備の日本語ソフトウェアキーボードは、「半角カナ」の入力に対応していません。しかし、これはソフトウェアキーボードが持つ変換機能の仕様によるもので、iOSがサポートする文字集合(Unicode)自体に半角カナは含まれますから、WEBページなどからコピー&ペーストすれば表示することは可能です。

手間はかかりますが、「メッセージ」や「メモ」などのアプリで半角カナが必要になった場合には、目的の文字が含まれるWEBページを探してコピー&ペーストすることが手っ取り早い方法といえます。全角カナを半角カナに変換するアプリもいくつか公開されていますから、それを利用する手もあります。

半角カナの入力がサポートされない理由ですが、メール(インターネットメール)に半角カナを利用すると"文字化け"を起こすため、これを防止する目的が考えられます。日本語のメールに使用される文字集合は、歴史的な経緯でISO-2022-JP(日本語JISコード)が主流であり、その規格には半角カナが含まれないからです。

実際のところ、この"約束事"に従わず半角カナを扱えるようにしたメールソフトも少なくありませんが、文字化けを引き起こす原因となるうえ、相手に正常な状態で届く保証もないため、使わないほうが無難です。iOSに標準装備の日本語ソフトウェアキーボードは、そこを考慮し半角カナを変換候補から外しているのでしょう。

ただし、iOS 8からはサードパーティー製ソフトウエアキーボードが利用可能になり、半角カナの入力に対応したアプリも登場しました。メールに半角カナを使うべきでない状況に変わりはないものの、「メモ」や「リマインダー」などメールと無関係のアプリで使うぶんにはまったく問題ありません。

iOS 8から利用可能になったサードパーティー製ソフトウェアキーボードを利用すれば、半角カナを直接入力できますが、メールで使うべきではありません(画面は「半角カタカナキーボード」)