帝国データバンクは8日、2014年12月の景気動向調査の結果を発表した。それによると、12月の景気動向指数(以下、景気DI)は前月比0.5ポイント低下の43.0となり、5カ月連続で悪化した。
12月は、人件費上昇や円安による仕入価格の高騰が続いて企業の景況感が弱含んでいたなか、全国的に大雪や高波などの悪天候に見舞われ、建設業や運輸業、北海道や東北、北陸などに大きな悪影響が出た。
業界別に見ると、全10業界中、「建設」「製造」「卸売」「運輸・倉庫」など6業界が悪化。人手不足に伴う人件費上昇が引き続き業績を圧迫しており、原油価格急落の影響は中小企業では限定的にとどまっている。また、「運輸・倉庫」では、コスト上昇の運賃への転嫁が難しい小規模企業ほど収益環境が厳しく、景況感の悪化が顕著となっているという。
地域別では、全10地域中、北海道や中国など8地域が悪化。記録的な大雪に見舞われた地域では、建設業や運輸業などに大きな影響が及んだ。特に北海道では、前年同月比11.8ポイント減と過去最大の下落幅を記録した。
今後の見通しについては、法人実効税率の引き下げや地方創生に向けた新制度導入などが期待される一方、「中小企業を中心に収益環境は悪化していくとみられる」とし、「景気対策による下支えが落ち込みを緩和するものの、原材料価格の高止まりや人件費上昇など下振れ材料は依然として残り、ほぼ横ばいで推移すると見込まれる」と予想している。