2014年年末、中国で「Gmailにアクセスできない」という声が上がった。もともと中国ではGmailがつながりにくい状況が度々起きていたが、2014年末から2015年1月9日現在に至るまで、「本格的に使用不能になったか」と思われる不調ぶりが続いている。中国の人々はどのようにこれをとらえているのか。中国版ツイッターのウェイボーをのぞいてみた。
国家が僕の無駄遣いを止めてくれた!
「僕は始め、支付宝(アリペイ、インターネット上の決済システム)の登録アドレスをYahoo! メールにしていた。ところがYahoo! メールが使えなくなったので、Gmailにした。すると今度はGmailが使えなくなってしまった。それで分かった。国が僕の貧しさを知って、無駄遣いしないようにしてくれているのだ。感謝!」
この投稿から分かるように、突然これまで使用していたメールが使えなくなったのはGmailが初めてではない。2013年にはYahoo! チャイナのメールが中国国内で使用できなくなっている。
YouTubeのように中国ではアクセスできないウェブサイトもある。だが、多少アクセスできないページがあったところで生活に支障はないが、メールとなると一大事だ。彼のように決済システムが使えなくなるかもしれないし、大事な連絡先が分からなくなってしまうかもしれない。
「学校の連絡にGmailを使ってたよ、どうしよう! 」と慌てる人々の中には、時に感情的に文句を付ける人もいる。「そんなに外国のメールサービスが気にくわないんだったら、インターネットなんてやめて鎖国すればいい」と言い捨てている人は、よっぽど面倒な目にあったのだろう。
外国のメールサービスはカッコつけの使うもの!?
今回の件については、「外国企業が中国の法律を守らなかったのが悪い。Googleは傲慢(ごうまん)だった」とこの措置を肯定する人々もいるし、「Gmailやfacebookを使わなくても、中国には代替品がたくさんある。外国ブランドを使っている人なんて、それがカッコいいと思っているだけだ」とこれまでGmailを使用していた人をこき下ろす人もいる。
確かに中国にはツイッターがなければウェイボーがあるというように、代替品がそろっている。せめて事前に使用できなくなる旨が連絡されていれば、激しい言葉で文句を言い立てる人も少なかったのではないだろうかと思うのは浅薄だろうか。
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