国内外のブランドショップや数多くの美容院などが立ち並ぶ、流行の中心地・表参道。この銭湯「清水湯」は、表参道交差点から徒歩2分ほどの場所にある。今でこそ、この土地に違和感のないデザイナーズ風の銭湯になっているが、実は創業100年以上。現在の様相になったのは2009年のリニューアルからだ。

2009年にリニューアルした「清水湯」だが、実は100年以上の歴史をもつ

ソフトクリームもボタンでチョイス

赤いロゴマークのワンポイントが栄えるモダンな外観。入り口はスロープを上がった中二階になる。下足箱に靴をしまったら、券売機で入浴券を購入。そのほかにもタオルやシャンプー、ドリンク、ソフトクリームなどもこちらから購入できる。よく見ると生ビールやおつまみのボタンもあり、なんとベルギービールまであるのだ。

券売機の隣にはフロントがあり、こちらで下足箱の鍵とロッカーの鍵を交換する。フロント前のスペースは奥に向かって広く、10人以上は座れるロビーがある。ロビーには自販機やマッサージチェア、今治タオルをはじめとした入浴グッズの販売、ロック機能付きのコートハンガーからフリーWi-Fiまであり、まさに至れり尽くせりの設備が整っている。

高濃度炭酸泉やシルク風呂も

男湯のイメージ

男湯は左、女湯は右に進む。特段広くはないが非常に明るい脱衣所で、ロッカーは2面分、鏡台と洗面台、体重計、自販機などがそろっている。ゆったりとしたBGMは浴室にも流れており、上品な雰囲気づくりに一役買っている。

浴槽の種類は豊富。広い浅風呂には強力なジェットバスが部位別に3タイプあり、疲れた身体に効きそうだ。全体的に湯はぬるめだが、特に高濃度炭酸泉やシルク風呂は体感で約38~39度とさらにぬるく、長湯にも最適。

日中は光もよく入り、爽やかな雰囲気。カランは少なめな分、ひとり分のスペースは広々としている。ヒマワリのような大口径の立ちシャワーにも注目。ドイツ有名メーカーのシャワーヘッドだとか。

昼から営業している使い勝手の良さもあって、いつ行っても大賑(にぎ)わいの清水湯。その立地に甘んじることなく、様々な創意工夫にあふれており、銭湯に行く習慣のない若い人にも、自信をもってオススメしたいハイクオリティな銭湯だ。

※記事中の情報は2014年12月時点の男湯のもの。イメージ図は筆者の調査に基づくもので正確なものではございません

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。