三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)の子会社である三菱東京UFJ銀行は5日、関係当局の承認を得て、連結子会社であるBank of Ayudhya Public Company Limited(以下アユタヤ銀行)との間で締結した2013年9月18日付支店統合契約(Conditional Branch Purchase Agreement)に基づき、三菱東京UFJ銀行バンコック支店(以下旧バンコック支店)とアユタヤ銀行を統合したと発表した。

三菱東京UFJ銀行は、2013年9月18日付でアユタヤ銀行との支店統合契約を締結後、タイ中央銀行による規制(One Presence Policy)への対応、ならびにアユタヤ銀行との広範な戦略的協業関係の最大化を企図し、このたび、旧バンコック支店とアユタヤ銀行を統合するに至ったという。

統合後はアユタヤ銀行のタイにおけるリテール・中小企業の顧客基盤とMUFGおよび三菱東京UFJ銀行のグローバルコーポレートバンキング業務における金融商品・サービスのノウハウを融合し、幅広い顧客に対し高付加価値の金融サービスをワンストップで提供できる体制を構築するとしている。

三菱東京UFJ銀行バンコック支店とアユタヤ銀行の統合の概要

統合の方法

三菱東京UFJ銀行が旧バンコック支店の事業をアユタヤ銀行に対して現物出資し、旧バンコック支店とアユタヤ銀行を統合。三菱東京UFJ 銀行はその対価として、アユタヤ銀行の普通株式1,281,618,026株を取得価格1株につき40.49バーツで受領した。統合後の三菱東京UFJ銀行のアユタヤ銀行の普通株式所有株式数は5,655,332,146株となり、株式所有割合は76.88%となる。

旧バンコック支店機能のアユタヤ銀行への継承及び統合後の組織について

(1)旧バンコック支店の窓口業務および預金、タイ国内決済業務

  • 旧バンコック支店所在地に新設されるアユタヤ銀行バンコックサトーン支店(BangkokSathorn Branch)が引き継ぎ担当する。なお、既存の顧客の口座店呼称は同支店名に変更となる

(2) 旧バンコック支店の法人営業業務

  • 日系企業取引、グローバル企業取引および大手グローバル金融機関取引は、同バンコックサトーン支店所在地に新設されるJapanese Corporate / Multinational Corporate BankingGroup に継承され、原則、引き続き現営業担当者が業務を担当する体制をとる。また、タイ系企業取引も、一部を除き同バンコックサトーン支店所在地に新設されるCorporate Banking Group に継承され、引き続き現営業担当者が業務を担当する。なお、旧バンコック支店の派遣行員は、5日よりアユタヤ銀行への出向となり、また現地採用スタッフは同行に転籍し、業務に従事する

統合後のポジショニング

統合後のアユタヤ銀行はMUFGおよび三菱東京UFJ銀行のタイにおける唯一の商業銀行プラットフォームとなる。アユタヤ銀行のタイ国内における営業基盤・ローカルネットワークと、MUFGおよび三菱東京UFJ銀行が有するグローバルネットワークを併せ持つ新たな銀行として、付加価値を提供していく。具体的には、日系の顧客に対し、タイ国内ネットワークの拡充による決済事業およびビジネスマッチングの拡充、タイ地場の顧客に対しては、MUFGおよび三菱東京UFJ銀行のネットワークを活用したトレードファイナンスや海外進出支援等を提供する。

旧バンコック支店は、1962年の開設以来50年以上に亘り、主に法人の顧客の支援に従事しており、2014年3月末時点でタイにおける外国銀行の中で最大の資産規模を有しているという。

アユタヤ銀行はタイにおいて 69年の歴史を有し、同国第5位の資産規模を誇る商業銀行。タイ全国における600を超える支店を通して、個人の顧客から中小・大企業の顧客に対して、法人金融、消費者金融、投資、資産運用等の包括的な金融サービスを展開している。また、子会社を通じ、620万口座を有するタイ国内最大のクレジットカード発行体であり、その傘下には、近年急成長を遂げている資産運用会社Krungsri Asset Management Co., Ltd.およびマイクロファイナンスを営むCFG Services Co., Ltd.などを有しているという。

旧バンコック支店の事業のアユタヤ銀行に対する現物出資を含む同統合が、MUFGおよび三菱東京UFJ銀行の業績に与える影響は軽微としている。