2014年はiOS 8の登場と同時に、iOSアプリの仕様が大幅に変わった。全体的に締め付けが緩やかになったが、特に大きかったのが、日本語入力関連だ。いわゆるIME(iOSでは「キーボード」という)的なかな漢字変換システムが、サードパーティにも開発可能になったのは大きい。デベロッパーも待望だったようで、解禁と同時に日本語キーボードアプリが複数登場してApp Storeを賑わせてくれた。
一方で、たとえばインライン入力ができない、ハードウェアキーボードも使えないといった中途半端すぎる仕様に、デベロッパーはもとより、ユーザーが不利益を被った。正直いって現在の仕様は、漢字Talk 6時代のFEPを思わせる、時代錯誤なものだと言わざるを得ない。かわいそうなのはデベロッパーで、システム側の限界による仕様であっても、アプリ側の評価として跳ね返ってくる。このあたりは来年登場する次期iOS(順当にいけばiOS 9)で改善されることを期待したい。
iOS 8では日本語キーボード以外にも、MacとiOSで作業を継続できる「Handoff」対応のアプリや、iCloud対応アプリ、HealthKit対応アプリ、Homekit対応アプリ、機能拡張対応アプリなどが開発可能だが、いずれもまだまだ数が少ない。一部はハードウェアと組み合わせねばならなかったり、Mac用アプリも開発しなければならないなど、開発のハードルが高いのかもしれないが、このあたりがもう少し盛り上がってくれば、さらにiPhoneならではの世界観を高められると思われるだけに、デベロッパー諸氏には頑張っていただきたいところだ。
それでは次から、筆者が2014年、多く仕事に利用したアプリを5本紹介しよう。といっても、実は筆者はシステム純正至上主義者なので、あまりたくさんのアプリを常用しているわけではない。また利用方法もかなり偏っているので、読者諸氏の参考になるかどうかは未知数だ。そのあたりを踏まえてご覧いただきたい。