童謡にあるように、お正月には凧揚げてコマを回して遊ぶのも楽しいが、お祝いの句や詩などを毛筆で書く、書き初めも定番のお正月のイベントだ。

年末年始企画・2014年の注目記事を見ながら、去年は富士通の「ARROWS Tab QH55/S」やNECの「LaVie Tab W TW710/S」、VAIOの「Prototype Tablet PC」など、筆圧検知対応のWindowsタブレットが多く登場したなあ、とふと思った時、「筆圧感知」の文字の中に、燦然と輝く"筆"の文字が目に留まった。これ、もしかして、お正月の書き初めをデジタル化できるんじゃね(筆だし)……!?

というわけで今回、12型タブレット「Surface Pro 3」を使って、2015年の抱負を編集部員に書いてもらった。

なお、使用したのは2014年10月17日に発売した「Surface Pro 3」のCore i3搭載モデル。使用アプリは筆圧感知対応のWindowsストアアプリ「Fresh Paint」。同ソフトウェアは水彩、油彩、鉛筆、クレヨンなどの彩色方法が選べ、筆のサイズも彩色方法により5~6種類から選択できる。本体のデジタイザはN-Trigを採用し、256段階の筆圧検知に対応している。

「Surface Pro 3」Core i3モデルの「Fresh Paint」設定画面。水彩、油彩、鉛筆、クレヨンといった彩色方法それぞれから、数種類の筆が選択できます。筆圧に応じた着彩のほか、色の混ぜ合わせや水彩画の"にじみ"なども表現できる

ちなみに使用した「Surface Pro 3」は、PCチャンネルの編集部員Hが私物として購入したものの机上に置きっぱなしになっているのを見かけ、これ幸いにと奪ったお借りしたものです。ご協力有難うございました!

堅実が一番です

それでは早速、書きあがった作品を見ていこう。まずは「あ~わかるわかる!」と言いたい、堅実派の書き初めから。

2015年の幕開けにふさわしい作品。新年ですし、全力投球、していきたいですね

2015年が本厄となる25歳男性の作品。「厄」の字の頭のかすれ具合や、「年」の文字が下にはみ出しているところなどから、うっかりすると「名のある人の作品では……」と邪推してしまいそうです

切実な2作品。ちなみに「貯金」を書いた編集部員は今年結婚を予定しているということで、その背景を考えながらこの2文字を見るとなんだか身につまされます

はね・はらいのかすれ具合が筆者のツボにはまりましたが、書いた方は早いとこ肩のツボを押してもらいに行って下さい

一言でいうと

お次は一言でまとめすぎて解説が必要な書き初め。熱い思いは伝わってくるが、意図を問いただしたい作品でもある。

わかる人にはわかるであろう「神席」。2015年はコンサートで良い席がたくさん当たりますように、という願掛けでした。文字のバランス感やはらいの丁寧さ、かなりの達筆とお見受けします

内容はそのままのストレートな「ガムシャラ」なのですが、何度見ても一瞬「ガシャムラ」に見えてしまい、二度見して納得する作品でした

こちらは「水彩」の設定で書かれたもの。この「欲」は、2015年はもっとガツガツ、自分のやりたいことを進めていく年にしたい、という思いを込めたとのこと。その割に淡泊な印象ですが(だからこその抱負か)、下の猫は確かにガツガツ行きそうな感じです

ネタに走る人たち

「新年」「書き初め」「抱負」というと、面白いことを書きたくなってしまう方々の作品がこちら。

「何があった」と問い詰めたい、偶然編集部に来ていたライターさんの作品。こちらも「水彩」の設定です。ちなみに、内容は"心頭滅却"の意味とのこと。その割には右下に何か書いてあるような気もしますが気のせいでしょうか

たぶん戦闘力的な意味だと思うのですが、「女子」の文字がギリギリまで接近していて、「好力」みたいなことになっています。あと何があれかって「様」が抜けてますね。「様」は大事ですからねこれね

「報」の字が若干丸まってます。書き初めなんですけど。しかも「因果応報」って。新年早々何をやらかしたのでしょうか

「書き初め」として最も本物っぽかった作品がこちら。良く見ると、左側に名前(ぐりずりー?)が!そうですよね、小学校・中学校で書いた冬休みの宿題の書き初めは、確かに名前を左側に書いていました。 内容も「0.1tからの卒業」ということで、文字の大きさから確固たる決意が感じられた一品。ちなみに、ここまでコメントしてきた筆者ですが、書道のことはまったくわかりません

ちなみに、編集部が試した中で、「Fresh Paint」が最も習字のように書ける設定は、「油彩」の丸筆の最太設定だった(下地には、繊維が透けた紙のような質感のものをセレクト)。文字のかすれ具合やはらいの強弱など、良好に再現されている。

デジタル書き初めを試してもらった中で、最も多く聞かれた声が『意外と強く書いても大丈夫だった』というもの。液晶面にかなり強めに書かないと太い線が出にくいのだが、液晶に強い力をかけること自体が、新鮮な感覚だったようだ。

Windows 8.1の場合保存先にOneDriveも指定できるため、作品をクラウドに上げて"お焚き上げ"気分が味わえるのも、デジタル書き初めの魅力だろう。