2015年、フジテレビ系『痛快TV スカッとジャパン』(毎週月曜19:57~20:54)でブレイクを果たした俳優・木下ほうかが、このほど東京・台場の同局で取材に応じた。急激な露出の増加に、淡々とした語り口で「うれしいというよりも、息苦しいですね」とストレスを明かし、2016年は「急に減るでしょうね」と自虐的に展望を語る――。
同番組は、ウッチャンナンチャンの内村光良が司会を務め、意地悪で自分勝手な人たちを撃退する"スカッとする話"をショートドラマ化するバラエティ。木下はこの中で登場する、部下に対してネチネチと嫌みを言う「イヤミ課長」のキャラクターで人気に火がつき、イヤミを言い終わった際の締めの一言「はい、論破」は、2015年の流行語大賞にノミネートされた。
人気を集めているのは子供層。決して子供向けのキャラではなく、オフィスの人間関係など、分かりづらい部分があるため、木下は「意地悪な人間をやっているのにもかかからず、寄ってくるのは意外ですね」と首をかしげる。
とは言え、やはり近寄りがたいキャラクター。公園でじっとしていると周囲の視線を感じるが、そこで少し甘い顔をすると一気に人が集まってくるという。しかし、「写真を撮ったり、適当なものにサインさせられる」と、有名になってもぞんざいな扱いに、愚痴をこぼした。
さらに、お店で酒を飲んでいると「イヤミ課長飲んでた」、地方で宿泊したホテルの写真をアップされ「今ここに泊まってる」などとSNSにアップされることもあるそうで、「全部監視されているような感じ」と息苦しさも。このため、「最近はメガネと帽子とマスク。いかにも(芸能人らしい扮装)」と、はにかみながら明かした。
人をイラつかせる演技のコツは「小っちゃくやること。自分がやられて嫌なことをえぐるように」。しかし、自身は繊細な性格だそうで「だからこそ、(イヤミな役の心境が)分かることがあるかもしれませんね」と分析する。
「はい、論破」は、2015年の流行語大賞にノミネートされながら、トップ10入りを逃したが、本人は「落ちてよかった。目立ちたくないです」「間違って(大賞に)なったら、ゾッとします」と、ホッとしている様子。昨年は、TBS系ドラマ『下町ロケット』でも存在感を見せたものの、やはりバラエティでの活躍が多かったこともあり、今年の抱負は「本業は役者ですから、もう1回(役者として)安定しなおそうかな」と展望を語った。
この年末年始についても「帰省もしない。家でちびちびやったり」「カウントダウンとか、初詣とか全然やらない」「最近は紅白も見なくなったなぁ。地味、地味」と、斎藤工ばりのネガティブ発言ばかりの木下だが、最近はミニコーナー「イヤミ課長のはい論破!じゃんけん」でキレキレのダンスを披露している。当初は「すごい抵抗ありましたし、テレビ局は何でもやらすな、と思いました」と不満をもらしたが、「でも命令がくだったので、やります…」と、プロ意識をのぞかせていた。
『痛快TV スカッとジャパン』の4日の放送は、18時30分から2時間半のスペシャル版。イヤミ課長は、得意なボウリング大会で好き勝手にふるまい、スカッと撃退されてしまう。