みずほ総合研究所はこのほど、2014年12月の「2014・2015年度 内外経済見通し」を発表した。それによると、原油価格の下落が世界経済を下支えすると予測している。

同リポートでは、原油価格の下落について、先進国を中心に世界経済の支援材料になると分析。原油輸入国は交易条件の改善を通じ、個人消費や設備投資の増加から一定の景気の押し上げ効果が期待されると見込んでいる。

一方、産油国にとっては景気の押し下げ要因となり、経常収支や財政収支や赤字に陥る産油国の増加が予想されるほか、米国シェールオイル産業への打撃に伴う金融機関への影響やベネズエラのデフォルト懸念など、金融面への波及リスクが発生するおそれがあるという。

2014年の世界経済成長率(同社予測対象の国・地域加重平均ベース)は、3.2%と概ね2013年並み。先進国を中心に回復ペースが強まり、2015年の世界経済成長率は3.5%に高まると見込んでいる。

世界経済見通し総括表(出典:みずほ総合研究所Webサイト)

国・地域別に見ると、日本は2014年が0.2%(前回0.4%)、2015年が1.7%(同2.0%)と、前回から下方修正。米国は四半期ベースで年率2%台後半から3%台の成長と予想している。一方、ユーロ圏は緩やかな成長過程となる見通しだが、総じて回復の勢いは弱いと分析している。