今年の大晦日もいつものように年越しそばをすすり、紅白歌合戦を見て、除夜の鐘が鳴り始めたらさぁ準備というわけで毎年恒例の国民的イベント「初詣」の季節がやってくる。人気の寺社なら寒い中、風に吹かれつつ2~3時間待ちは当たり前。こんな時は、スマートフォンが大活躍だ。待ち合わせの連絡やソーシャルの更新、Webサイトの閲覧など様々な用途が考えられる。
そこで本稿では、初詣の予行演習として明治神宮や浅草寺など有名な寺社10カ所で通信速度を調査してみた。結果としては、ソフトバンクモバイルが10カ所中、6カ所で勝利した。
初詣で混雑が予想される明治神宮や浅草寺、神田神社など有名な10の寺社で速度調査
今回、大混雑が予想される東京都内、計10カ所の寺社をピックアップしてLTE回線の速度を調査してみた。調査対象となったのは、「湯島天満宮」「神田神社(神田明神)」「日枝神社」、「富岡八幡宮」「浅草寺」「雑司ケ谷鬼子母神堂」「新井薬師」「大宮八幡宮」「明治神宮」「池上本門寺」。どの寺社も毎年初詣の客の人出が話題になるところだ。
調査方法は次の通り。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル各社の「iPhone 6 16GB」にRBB TODAYが提供するスマートフォン向けスピード測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」をインストール。各所(正面門前)で3回計測を行い、下りの平均値を速度結果として記載する。なお本稿においては、「スマートフォンを快適に活用するには、下り速度こそが重要である」と筆者の個人的見解から、以降は下りの結果に絞って発表することとする。
東京23区内、10の有名寺社で一番電波が入るキャリアはどこか?
今回の調査は、東京の中央から螺旋を描くように左回りに湯島天満宮から始めて、神田神社、日枝神社、富岡八幡宮、浅草寺、雑司ケ谷鬼子母神堂、新井薬師、大宮八幡宮、明治神宮、池上本門寺の順番で廻る。計測は、本殿の広さなどを鑑みて不公平感の少ない寺社の正門前で行うこととした。
最初の計測場所は、学問の神様でおなじみ湯島天満宮。正門前で計測を行った。結果は、NTTドコモが下り11.9Mbps、KDDI(au)が下り37.3Mbps、ソフトバンクモバイルが下り51.4Mbps。ソフトバンクモバイルが50Mbps超で最速だった。
次は神田神社、別名神田明神。某アニメの聖地巡礼記スポットだ。こちらも正門である隨神門前で計測を行った。結果はNTTドコモが下り53.2Mbps、KDDI(au)が下り31.5Mbps、ソフトバンクモバイルが下り51.9Mbpsに。NTTドコモが僅差で勝利した。
続いて、江戸三大祭のひとつ山王祭で有名な日枝神社。山王鳥居の前で計測したところ、NTTドコモが下り11.2Mbps、KDDI(au)が下り14.0Mbps、ソフトバンクモバイルが下り27.4Mbpsいう数値に。ソフトバンクモバイルが他社を大きく引き離し勝利した。
さらに「深川の八幡様」として親しまれる富岡八幡宮に向かう。こちらでは正面鳥居前で計測を行った。
NTTドコモが下り14.1Mbps、KDDI(au)が下り31.5Mbps、ソフトバンクモバイルが下り51.8Mbpsという数値で、下りはソフトバンクモバイルが最速だった。NTTドコモの下りの値が異常に低いのが気になるところ。
深川から浅草に向かい三社祭りで有名な浅草寺の雷門前で計測。NTTドコモが下り29.2Mbps、KDDI(au)が下り33.5Mbps、ソフトバンクモバイルが下り27.0Mbpsという数値に。KDDI(au)が最速となった。
続いて豊島区に。安産・子育の神様で有名な、鬼子母神を祀る雑司ケ谷鬼子母神堂の正門前で計測を行った。結果はNTTドコモが下り44.6Mbps、KDDI(au)が下り56.3Mbps、ソフトバンクモバイルが下り53.4Mbpsという数値。KDDI(au)がトップだが、ソフトバンクモバイルも50 Mbps超を実現。差はわずかだ。
さらに治眼、子育てのご利益で有名な新井薬師に。正式名称は梅照院だ。こちらも正門前の階段前で計測したところ、NTTドコモが下り35.0Mbps、KDDI(au)が下り44.1Mbps、ソフトバンクモバイルが下り57.2Mbpsという結果に。ここでもソフトバンクモバイルが最速だった。
そろそろ最後が見えてきた。閑静な住宅街に鎮座する歴史古き八幡宮である大宮八幡宮に。静寂な森林に囲まれた正門の鳥居前で計測を行った。結果はNTTドコモが下り34.0Mbps、KDDI(au)が下り42.7Mbps、ソフトバンクモバイルが下り61.5Mbpsという数値で、ここでもソフトバンクモバイルが勝利。このままソフトバンクモバイルが独走か。
明治神宮での計測は、神宮が平日夕方の4時に正面ゲートを閉めてしまうので、門よりかなり離れたゲート前で計測を行うことになった。NTTドコモが下り51.4Mbps、KDDI(au)が下り13.5Mbps、ソフトバンクモバイルが下り21.0Mbpsという結果。ようやくNTTドコモが2勝目。
最後は、日蓮聖人入滅の霊場として有名な池上本門寺の総門前で計測を行った。NTTドコモが下り38.4Mbps、KDDI(au)が下り28.3Mbps、ソフトバンクモバイルが下り55.4Mbpsという数値で、取りを飾ったのはやはり、ソフトバンクモバイルだった。これでソフトバンクモバイルは6勝。圧倒的な勝利だ。
ソフトバンクモバイルが6つの寺社で勝利
それでは調査結果を見ていこう。今回の都内の寺社、計10カ所での下り速度計測では、NTTドコモが2勝、KDDI(au)が2勝、ソフトバンクモバイルが6勝という結果に。ソフトバンクモバイルが他を圧倒した。
計10カ所での平均値は、NTTドコモが32.3Mbps、KDDI(au)が33.6Mbps、ソフトバンクモバイルが45.8Mbps。ソフトバンクモバイルが最も高速で、NTTドコモとKDDI(au)は僅差だった。
今回の調査はソフトバンクモバイルの圧勝で終わった。だが、通信速度は計測場所や時間帯などによって変動する。今回調査した10カ所は、初詣時期においては、かなりの混雑が予想され、速度が出にくくなる。今回の調査では、浅草の浅草寺雷門前以外は、比較的人の数はまばらだった。これは、元旦の状況とは大いに異なるだろう。あくまで参考値としていただきたい。