中国のサイト「12306」は世界でも最もアクセス数の高いサイトのひとつだ。統計では1日の最高クリック数は64億を越える。ログインユーザーは1億2,000人。この"化け物サイト"、いったい何のサイトかというと、中国鉄道局の開設する列車チケットの予約購入サイトだ。アクセス集中の理由は「春運」と呼ばれる、旧正月の帰省ラッシュである。
1日の最高クリック数は64億にも
中国のサイト「12306」は世界でも最もアクセス数の高いサイトのひとつだ。統計では1日の最高クリック数は64億を越える。ログインユーザーは1億2,000人。この"化け物サイト"、いったい何のサイトかというと、中国鉄道局の開設する列車チケットの予約購入サイトだ。アクセス集中の理由は「春運」と呼ばれる、旧正月の帰省ラッシュである。
春節が1年で一番きれいな空になる理由
高速道路に延々並ぶ自動車の列、日本でも帰省ラッシュは悩ましい問題だ。しかし、考えてみてほしい。人口も国土の広さも日本の何倍もある中国の帰省ラッシュがどうなるかを。想像通り、それはそれはすさまじいものだ。
日本はお盆、正月に帰省ラッシュが発生するが、中国での帰省ラッシュのピークは「春節」と呼ばれる旧正月だ。この時期は一般的に1週間の休みが用意されており、遠方に帰郷する人などはさらに長期間の休みを取ることも多い。余談ではあるが、従業員たちがそろって帰郷するため工場がストップし、春節には1年で一番きれいな空が保証されている。
帰郷に使用される交通機関のメインは列車、いかに増発されているとはいえ、チケットの確保合戦は厳しい。以前はチケット売り場に行列が作られたものだが、今の主戦場はウェブサイト「12306」となっている。
「全く中国人ってやつは!」という自虐も
2015年の春節は2月19日、帰省ラッシュの戦いは既に幕を開けている。2013年までは20日前からだったチケットの販売が、2014年からは60日前からとなったのだ。しかも、手数料なしでの払い戻しは出発15日前まで可能。この施策に対して中国版ツイッター「ウェイボー」で見られる意見は様々だ。「便利だ」という意見もあれば、「こんなに早く売られてもまだ休みが決まってないよ」という意見もある。
買ってから手数料なしで払い戻すまでの猶予は45日あるわけだが、これはある弊害を招きやすい。買い占めだ。すでに理想のチケットを手に入れるために21枚のチケットを購入した夫婦の話題が広められ、やり玉に挙げられている。彼らに対しては、「私なんて3日かけても1枚も手に入らない。きっとこういう人がたくさんいるんだろう」「自分のことばっかり。人のことも考えて!」「無料での払い戻しを取り消すべきだ」と非難囂々(ごうごう)。中には、「全く中国人ってやつは!」と自虐的に言い出す人もいる。
中国では旧正月の1日前の大みそかに家族そろって食事をすることが重要視される。この日に家族団らんを味わうため、何としてでもこの戦いを勝ち抜かねばならない。想像を絶する戦いが、今、中国のサイト上で繰り広げられている。
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