女性の生理は、通常、思春期に始まり、以後は閉経まで毎月訪れ続けます。ただし例外として、妊娠中は生理にはなりません。もし妊娠の可能性が無く、閉経の年齢でもないのに生理がSTOPしたなら要注意! なぜならその原因には、過度のストレスや病気が関係している可能性があるからです。

生理STOPは体からのSOS、放置せず早めに病院へ!

妊娠、授乳といった生理的な要因がないのに3カ月以上生理が止まる症状を「続発性無月経」と言います。続発性無月経はホルモン分泌をコントロールする脳の視床下部、下垂体、卵巣がうまく連動できなくなって起こります。原因には次のようなことが考えられます。

・ストレス
ストレスは視床下部に大きく影響するため、強いストレスがあると生理がストップすることがあります。ストレスの原因は、ハードな仕事、就職、転職、失恋、場合によっては引っ越しによる環境の変化などさまざま。現代では無月経の女性の多くが、このストレス性無月経と言われています。

・無理なダイエット
人間の体内では多数の臓器が働いていますが、中でも生命維持のためにもっとも重要なのは心臓や肺、脳などです。そのため減食や激しい運動などによる、最低限の栄養が不足するほどのダイエットをすると栄養は心臓などへ優先的に回され、生殖機能は後回しにされるのです。ダイエットによる無月経は10~20代の若い女性に多く見られます。

・ 激しいスポーツ
一見健康的な印象のあるスポーツが無月経の原因になることもあります。もちろん、趣味や部活などで無理なく楽しむ程度なら心配ありません。しかし、体脂肪を落とすため少ない栄養で練習に励むという過酷なアスリート生活を続けた場合、体が生殖機能をストップさせてしまうことがあります。

・病気
そのほか、卵巣に腫瘍や炎症などが生じて無月経になっている可能性も。また、一般的に50歳前後で訪れる閉経が40歳未満で訪れる「早発閉経」も増えています。ストレスやダイエット、激しいスポーツといった原因が特にない場合は、病気を疑ってみることも必要です。

原因がはっきりしている場合、早い段階であれば原因となっているストレスなどを解消すると生理が再開することが多いようです。それだけでは生理が再開しない場合は、ホルモン療法などの治療が必要になります。無月経は、放置しておけばおくほど治療に時間がかかるので、気づいたら早めに病院へ。また、月経不順を繰り返した末に無月経になることもあるため、なるべく月経不順の段階で婦人科の医師に相談するといいでしょう。

※画像は本文と関係ありません

記事監修: 善方裕美 医師

日本産婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医
1993年高知医科大学を卒業。神奈川県横浜市港北区小机にて「よしかた産婦人科・副院長」を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママでもある。

主な著書・監修書籍
『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』
『だって更年期なんだもーん―なんだ、そうだったの?この不調(主婦の友社)』
『0~6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など