がじぇるね
Q:さて話はころっと変わりますが、高橋さんはモノを作られるのお好きですよね。で、「がじぇるね」って、ある意味内輪だと思うんですが。
A:これは世界展開しますよ。
Q:それはどうやって?
A:まず、12月にCloud Fundingをやるにあたって、がじぇるねの活動をベースにして新しい、私はIoTを期待しているんですが、売れるものを、普段がじぇるねを使っている人たちがどういう風に商売してくれるのかというのをやりたいと思っています。それがうまくいく前提で、これをインドにもっていくとか中国にもっていくとか、いうことで。もうすでにやってはいるんですけどね。もうちょっと、これも同じでシナリオとしてね、グローバルでやってるというのが見えるようにがじぇるねを展開するつもりでいます。
Q:例えばMakers Communityと何か連携をとったりするご予定は?
A:それも、うちがOfficialに出たりはしてないのですが、見ていてどういう風に参加すれば出来るかというのが判ればやります。ただ今のところはどちらかというとメーカー側の主体の活動の方がうまく行くかな、と思っています。
Q:あとは何と言いますか、車とかロボットとかのコンテストというか
A:ああ、カーラリーとか。
Q:ロボットとかカーラリーそのものは他も多くやられている訳なんですが、そういう方向での活動は?
A:やると思います。ただがじぇるねという活動の派生と言うか延長でやる予定なんですね。また秋葉原で何かやると思いますよ。折角秋葉原がああいう形で違うものが発信されている中で、日本の文化的なものにもAssociateして、日本のものづくりの面白さみたいなものを展開できたらいいかな、と思ってます。今日は何もいえませんが、当然秋葉原の人たちとは話しております(笑)ので、何かしますよ。
Q:Estimation Dateは? (笑)
A:たぶんですね、12月にCOUNT DOWNの辻野さんが来るんですが、あそこにもしかしたら秋葉原関係の人がくるかもしれません。なので、年末までにはもう少しなにかProgressがお話できるかもしれません。
さいごに
ということで、長くなってしまったが高橋CSMOへのインタビューの内容をお届けした。DevConの総括というよりは、むしろ新しいルネサスがどう変わったのか、にむしろ力点が置かれる内容になったのは、予期せぬ成果だったとも言える。
こうして新しい組織図を拝見すると、なるほど高橋氏がリクルートされた理由が良く判る。こうしたクロスファンクション構造にするのは、半導体に限らずワールドワイドの会社では非常にお馴染みであり、実際ワールドワイドで営業活動をしようとしたら、この手の仕組みはどうしても必要になる。ただ、この仕組みを形だけ真似たところでうまく機能するとは限らない。というか、上手く行かないケースの方がむしろ多い。何が欠けているかといえば、この仕組みを上手く動かすための細かなノウハウや経験である。例えばクロスファンクションという事は基本的に上司が2人居ることになるわけで、どちらの上司にどんなレポートを送るのか、あるいは両方から指示が出た場合に、それぞれの指示をどう解釈して実行するのか、など課題は少なくない。このあたりは会社ごとに文化が異なるから絶対的な方法論がある訳ではないが、一度もそうした環境に身をおいた事が無い人には敷居が高い。だからこそ、こうした事に経験が深く、特にクロスファンクションの上層部でマネジメント経験が長い高橋氏が組織の建て直しを任されたのは理にかなっていると思う。作田会長のレポートの最後でも書いたが、長期的にはルネサスはこれまでと違うビジネス展開をする必要があるし、国内よりもむしろ国外での顧客と売り上げを増やす必要がある。まずはそのために必要な足回りを半年かけて整えたという訳だ。
もちろん足回りだけを整えても駄目ではあるが、むしろこれまでのルネサスは足回りを整えずに製品だけ乱発して、しかしさっぱり売れない状況が続いていたから、この組織の建て直しは好意的に見て良い様に思う。後は、これから同社の海外売り上げ比率がどれだけ改善してゆくか、であろう。