京都市動物園は12月25日、デンマークより来園した、ヤブイヌの公開を行う。

デンマークより来園したヤブイヌの公開を開始

準絶滅危惧種の希少動物・ヤブイヌが来園

ヤブイヌは平成23年9月18日生まれのオスで、平成26年12月11日に「イェスパーフス・ジャングルズー」(デンマーク)から来園した。

ヤブイヌは、パナマ・コロンビア・ガイアナおよびブラジルなどの森林や林緑の沼地に生息。体長は58~75cm,体重5~7kgでずんぐりとした体型をしており、外見はあまりイヌらしくない。胴長、短足の体型は藪の中をくぐり抜けるのに最適。また泳いだり潜ったりすることも得意で、指の間には水かきが付いている。

今後は、新たに来園したオスを中心としたヤブイヌの繁殖に取り組む

現在、国内で飼育されているすべてのヤブイヌは1家系に由来しており、国内での遺伝的多様性の保持のためには、海外から別血統の個体を導入することが必須となっている。そこで繁殖を目的としたペアリングを行うため、同園とヨーロッパ絶滅危惧種繁殖計画(European Endangered Species Programme)種別調整者、「イェスパーフス・ジャングルズー」の三者間で共同保護計画書を策定し、今回、「イェスパーフス・ジャングルズー」から本個体が寄付され、来園した。

国際自然保護連盟のレッドリストで「準絶滅危惧種(Near Threatened)」とされている本種は、国内では5施設で30頭が飼育されている(平成26年11月末現在)。現在、同園では本個体を含め計6頭のヤブイヌを飼育。同園におけるヤブイヌの飼育は平成10年から始まり、現在までに22頭を飼育し、18頭の繁殖に成功した実績がある。今後は、新たに来園したオスを中心とした、ヤブイヌの繁殖に取り組む予定となっている。

公開日は、12月25日。展示場所は、ヤブイヌ舎。なお、動物の体調により観覧できない場合がある。また、愛称の募集については、後日改めて告知される。同園の所在地は、京都府京都市左京区岡崎法勝寺町岡崎公園内。