鉄道・運輸機構とJR九州は24日、フリーゲージトレインの耐久走行試験を一時休止すると発表した。3モード耐久走行試験の後、新試験車両の台車を確認したところ、部分的な欠損などが確認されたという。
フリーゲージトレイン(軌間可変電車)新試験車両は2014年3月に完成し、4月から走行試験(性能確認試験)を開始。新幹線区間(九州新幹線熊本~鹿児島中央間など)の時速270km走行、在来線区間(鹿児島本線熊本~八代間など)の時速130km走行を達成し、新八代駅付近の接続線も走行。10月19日から新幹線・軌間変換・在来線を繰り返し走行する「3モード耐久走行試験」が開始された。この試験は3年間で約60万km走り込む計画とされている。
11月29日までに約400回の軌間変換を行い、約3万3,000kmを走り込んだが、一部の台車を確認した際、スラスト軸受のオイルシールに部分的な欠損が発生し、すべり軸受と車軸の接触部に微細な磨耗痕も確認された。必要な対策の検討をはじめ、初期段階での部品点検のための詳細調査を実施することになり、その間の走行試験を見合わせることが決まった。
詳細調査には1カ月程度を要する見込み。調査結果や走行試験の再開時期などについては、「改めてお知らせいたします」としている。