12月20日~21日の期間開催された「ポタフェス2014」。当記事では、その中から新製品を中心に、注目ブースの展示内容を紹介していく。

低価格ハイレゾプレーヤーとIEM専用ヘッドホンアンプ - オヤイデ

オヤイデ(小柳出電気商会)ブースでは、話題の低価格ハイレゾプレーヤー「FiiO X1」を展示。

「FiiO X1」

FiiO X1は、上位モデルからUSB DAC機能、デジタル音声出力、DSD再生機能を省いて低価格化したモデルだ。オープン価格で、12月22日現在、同社のショッピングサイトでの販売価格は21,600円(税込)。ハイレゾプレーヤーの中では現在最安価となっているが、価格だけではなく音質の評価も高い。

「E12A」

ヘッドホンアンプ「E12」の特別仕様モデル「E12A」も参考出展されている。E12Aは、E12をIEM専用にカスタマイズしたモデル。適応するインピーダンスは150Ωまでとなっているが、オペアンプをテキサス・インスツルメンツ社製の1611から新日本無線のMUSES 02に変更するなど、表現力を向上させている。発売時期などは、現時点では未定。

IEMコンディショナーとComplyの新製品 - エントリー・ジャパン

エントリージャパンのブースでは、IEMの性能をキープして保管するためのIEMコンディショナー「ドライ&ストア」を展示。ドライ&ストアは、専用の乾燥剤とファン、ヒーターにより、IEMを乾燥させて、コンディションを整える製品。254nm(ナノメートル)の医療用紫外線ランプも装備しており、雑菌の繁殖も抑えることができる。同社によると、IEMが水没した場合でも復活させることができるという。

「ドライ&ストア」の「Global II Model」

標準タイプの「Global II Model」と、紫外線ランプを省いて小型化した「Zephyr Model」の2タイプがラインナップされる。本来、補聴器向けの製品だったが、IEM用に改良し、オーディオフロアで取り扱われるようになる。

また、同社が販売しているComplyイヤーチップのうち、「Tsxシリーズ」は、これまで入荷が不定期で、国内での供給体制が整っていなかった。同社によると、これが改善され、12月初めからようやく順調に入荷するようになったとのことで、今後は普通に店頭に並ぶようになるらしい。

さらに同社では、スポーツ用のイヤーチップを春頃にリリースするという。発表は2015年1月に米国で開催される「2015 International CES」で行われる。製品は、現行のSシリーズに防水用の内栓を取り付けたものとなる予定だ。

重低音が魅力のワイヤレスヘッドホン - SOL REPUBLIC

SOL REPUBLICブースでは、ワイヤレスヘッドホン「TRACKS Air」を展示。TRACKS Airは、モトローラと共同開発したBluetoothユニットを装備したモデル。通常のBluetoothユニットの使用可能範囲は20m程度だが、TRACKS Airの場合、約50mの遠距離でも通信が可能だ。もちろん、日本国内で認証を受けており、安心して使うことができる。

「TRACKS Air」

ワイヤードモデルと同様に、左右のユニットと、樹脂製のヘッドバンドの3ピースに分離する。Bluetoothユニットやバッテリーなどは右側のユニットに内蔵されており、左右のユニットは、ヘッドバンド内側にある導電部分を使って接続される。

最新の欧州デザインを取り入れたB&O Playのスピーカーとヘッドホン

B&O Playブースでは、新製品のBluetoothスピーカー「BeoPlay A2」や、ヘッドホン「BeoPlay H2」を展示。

左が「BeoPlay A2」で、右が「BeoPlay H2」

BeoPlay A2とBeoPlay H2は、ヨーロッパの最新デザインの流れを取り込んだ製品。やわらかなフォルムと実用性、堅牢性を兼ね備えているのが特徴だ。BeoPlay A2はデンマークのデザイナーCecilie Manz(セシリエ・マンツ)がデザインした製品で、BeoPlay H2は同じくデンマーク出身のプロダクトデザイナーJakob Wagner(ヤコブ・ワグナー)が製品のデザインを行っている。

ヘッドホンメーカーとしての40年の歴史を展示 - オーディオテクニカブース

オーディオテクニカは、1974年にヘッドホンの製造を始めてから2014年でちょうど40周年を迎えた。ブースでは、それを記念して過去の銘機が展示されている。左の製品が、1974年に発売されたコンデンサーヘッドホン「AT-705」で、右の製品は1985年に発売された「ATH-M7PRO」。残念ながら、これらの製品は経年劣化もあり、試聴は不可能ということで、ガラスケースに入れられていた。

左が「AT-705」で、右が「ATH-M7PRO」

その横では、40周年の集大成モデルとして発売されたポータブルヘッドホン「ATH-MSR7」と、その限定モデル「ATH-MSR7LTD」を展示。また、この冬好調な女性向けのヘッドホン「ATH-UN1」「ATH-FW55」も注目を集めていた。

左から「ATH-MSR7LTD」「ATH-UN1」「ATH-FW55」

デザインだけではない、女性向けのヘッドホン - Skullcandy

女性向けのヘッドホンには、デザインやサイズだけを変更したモデルが多い。Skullcandyのブースに展示されている新製品「Knockout」は、優れたデザイン性だけにとどまらず、本質ともいうべきサウンドも、女性向けのチューニングが行われているヘッドホンだ。

女性向けヘッドホンの「Knockout」

同社では10,000人の女性にリサーチを実行。その結果、女性は男性よりも刺激的な高域を嫌う傾向があり、またバックグラウンドノイズを男性の約10倍強く感じるという結果が出たという。Knockoutは、そういった女性の聴感に合わせたチューニングのドライバーを採用。また、側圧を弱めにすると同時に、ハウジングの角度を変えることで、装着性も確保している。さらに、イヤーパッドには、ファンデーションなどが付きにくい素材を採用しているという。

「Knockout」のハウジングに使われている布の部分は製品によってデザインが異なる

付属のヘッドホンキャリングケースはポーチ風