タレントのタモリ、俳優の堺雅人、脚本家の中園ミホ、作家の半藤一利が20日、東京・渋谷区のNHK放送センターで行われた、NHKスペシャル『戦後70年 ニッポンの肖像 プロローグ 私たちはどう生きてきたか』のスタジオ取材会に出席した。
NHKスペシャル『戦後70年 ニッポンの肖像 プロローグ 私たちはどう生きてきたか』のスタジオ取材会に出席した半藤一利、中園ミホ、堺雅人、タモリ、有働由美子アナウンサー、三宅民夫アナウンサー(左から) |
同番組は、来年4月からスタートするNHKスペシャル『戦後70年 ニッポンの肖像』のプロローグとして、来年1月1日21時から放送する。新番組では、戦後70年の日本の歴史と日本人の生き方に焦点をあて、スタジオゲストによるトーク、戦後を振り返るVTR資料、全国規模で行った世論調査などを踏まえ、日本人の姿を見つめ直していく。
プロローグのゲストとして出演したタモリは、「元旦からNHKに出るなんて考えらえなくて驚いてる」と自虐して笑わせつつ、収録を振り返り、「普段入れないところにも簡単に入れるNHKの映像はすごいし、みなさんが好き勝手な事を言ってて面白かったですね。番組を通じて、半藤さんに聞きたいことを聞けたので楽しかった」と大満足。一方、「タモリさんにいいように扱われて、まだまだ私も勉強が足りないと感じた」と言う半藤は、"笑いあり、涙あり"だったという収録を、「もっと真面目にやるのかと思っていた。上手く乗れなくて……」と反省すると、タモリは、「いやいや! 半藤さんがこんなに面白い人だとは思ってなかった」と労っていた。
また、「お金をいくら積んでも味わえない時間を過ごせた。とても楽しいおしゃべりでした」と感想を語った堺は、「色んな時代の色んな人の記録映像で、食べる姿や遊んでいる姿がとても生き生きとしている。僕もそんなシーンを演じる時に、もっと生き生きとしなきゃと思った」と俳優としても刺激を受けた様子。収録ではタモリから家族の話を聞き、「タモリさんの一族の歴史を知りたい。ドラマになるんじゃないか」と興味を示すと、タモリは「うちはメチャクチャ。小学3年からじいさんの晩酌に付き合わされて、盃1杯を飲まないと晩飯にありつけなかった。食後は決まって麻雀だし。中学生になって、酒と麻雀はキッパリと止めました」と破天荒なエピソードを明かしていた。
終戦の1週間後に生まれ、来年70歳を迎えるタモリ。「私みたいな者が生きている日本は良いところ。外国人も驚くけど、大震災の時も秩序正しく、暴動や強奪も起きなかった」と語り、そんな日本の行く末について、「誰も分かってないけど、絶望感はない。定年退職してやる事がなく途方に暮れてるじいさんの時代だと思う。勤勉で従順な日本人じゃないと、この国は切り開いていけない」と持論を展開。続けて半藤も、「日本人は勤勉でしたたか。まだまだ底力を持っている民族だと感じた。これからの日本は若い人の力を大いに期待している」と明るく展望を語っていた。