ミャンマーの大都会ヤンゴンで暮らすニーニートゥエさん(30歳)と柴田京子さん(38歳)は、10歳と7歳のお子さん二人にも恵まれ、幸福街道まっしぐら。京子さんはミャンマー東部シャン州で農業支援などの活動をするNGOの代表で、ニーニートゥエさんは京子さんのNGOが栽培したオーガニック野菜などを扱うヤンゴンのショップで配送を担当。京子さんは出張も多いが、仕事でも家庭でも二人三脚で協力し合っているようです。
■ふたりのなれそめと、結婚して何年目なのかを教えてください。
結婚して11年になります。出会いはミャンマー中部の街パゴックにあるNGOの研修センターで、妻が講師、夫が生徒という間柄でした。その時センターに集まっていたのは20人ほどで、男女比は半々くらい。家族のようにわきあいあいとした雰囲気でした。その中でお互いに日本語とビルマ語を教えあったりと、なんとなく二人でいる時間が多くなり、だんだん距離を縮めていった感じです。
夫はとにかく優しくて、夜、みんなでくつろいでいる時にギターを弾く姿がかっこいいなぁと思っていました。妻は日本語の教え方がけっこうスパルタ(笑)でしたが、話をちゃんと聞いてくれたのが印象的でした。
■プロポーズの言葉は?
研修が終わり、私(妻)はヤンゴンで働いていました。実家のあるシャン州のみかん農園で働いていた夫はしょっちゅうみかんを運んでヤンゴンへ来ており、そのたびに会っていました。ところが、私が日本へ帰る用事ができ、しかもビザの問題で戻ってこられない可能性がでてきたんです。
はっきりしたプロポーズの言葉はなかったような気がします。会えなくなるかもと思ったら、そのまま一気に結婚してしまったというか(笑)。
■日本の結婚と比べ、特別で驚くようなことや、独特な風習はありますか?
実は結婚式の前日に、式をすることを夫の母から知らされました。私がいったん帰国する前に式を挙げてあげないとかわいそうと義母が思ったらしく、あわただしく準備してくれたみたいです。別にサプライズウェディングを狙ったわけではなく、準備に忙しくて言い忘れていたわ、という感じで「あ、そうそう、明日結婚式するから」って言われてびっくりですよ。
衣装は夫の親戚で、サイズの合う人に借りました。何より驚いたのが、義両親の招待客であろう見知らぬおじさんが結婚指輪を買ってきてくれ、式でいきなり私の指にはめたんですよ! さすがにはずして、もう一度夫にはめなおしてもらいましたけど(笑)。
■さしつかえなければ世帯年収や夫婦の内訳などを教えてください
ミャンマーの中流家庭の上の方といったところでしょうか。年に一度は子どもたちを連れて日本へ帰省しています。
■家計はどちらが管理していますか?
夫婦別々です。ふたりで貯金している共同口座があり、電化製品などの大きな買い物をする時はそこから出します。
■どんな家に住んでいますか?
市街中心部に近い住宅街のマンションに住んでいます。間取りは3LDK。静かだけれど、ローカル市場やショッピングセンターが近くにあって便利な場所です。
■家事はどのように分担していますか?
半々ですね。掃除は妻の方が得意なので妻がやりますが、洗濯と料理はできる方がやるという感じです。ビルマ人の男性は一般的にキッチンには入らないのですが、夫は料理好きなので助かっています。
■ちなみに今日の朝ごはんは?
子どもたちを学校へ送り出した後、近くの食堂でモヒンガーという麺を食べました。ミャンマーの国民的麺料理で、朝ごはんの定番です。時間があるときは、時々こうして朝も2人だけの時間を持ちます。
■夫・妻の好きなところは?
妻: なんといっても優しいところ。それとフットワークが軽いことかな。銀行へ行くとか買い物へ行くとか言えばすぐに車を出してくれるし、家の中の修理なども頼めば即座にやってくれます。仕事柄、私は出張が多いのですが、留守の間も子どもたちの面倒をマメにみてくれます。
夫: 自分とフィーリングが合うんですよね。やはりそれが一番です。それと、化粧をしないところ。ナチュラルな雰囲気の女性が好きなので。
■夫・妻の嫌いなところは?
妻: 髪を切ってほしいです。最近伸ばし始めてしまって。
夫: 出張から戻って部屋が散らかっていると怒るところ(笑)。
■結婚生活が長続きする三カ条を教えてください。
夜は一緒に楽しくご飯を食べる。1日1回は楽しい時間をもつこと。
大事なことは必ず相談する。
話をしていてけんかになりそうだなと感じたら、いったん切る。
■将来の家族の夢は?
いずれはシャン州の州都タウンジーでゆっくり暮らしたいですね。ヤンゴンより涼しくて過ごしやすいし人もいい。ふたりともそちらに友だちがたくさんいるので。