UR都市機構とMUJI HOUSEはこのほど、首都圏の団地で新たに展開する「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」のプレス向け内覧会を実施した。同プロジェクトは、「現代の多様化した日本の暮らしに新たな賃貸リノベーションのスタンダードを発信すること」を目的として、2013年6月にスタート。以前にマイナビニュースで取材した高島平団地は、首都圏第1号プランである。
今回取材した「品川八潮パークタウン潮路南第一ハイツ」は、UR都市機構が1983年(昭和58年)に管理を開始した物件。MUJI HOUSEとのコラボレーションで、築31年の団地はどのような変貌を遂げたのか。リノベーションされた2戸をご紹介しよう。
団地が広々空間に
2LDKで広さ64.90平方メートルの「Plan13」は、「一室空間で自由にしきれる暮らし」がテーマ。部屋を細かく仕切っていた壁を取り払ったことで、縦に広がるひとつづきの空間となった。南北の窓のお陰で風通しもよく、夏も過ごしやすい作りとのこと。
バルコニーに面したリビングは、ソファーを置いてリラックス空間としても良し。片側の壁には小天井が設置してあり、収納スペースとしてアレンジが可能。無印良品が取り扱っている収納用品もピッタリと収まる。
部屋の中心にはキッチンテーブルが据えられ、料理をしながら家族の様子を見渡すことができる。調理中には作業台としても使えるので、思う存分腕を振るうことができそう。
玄関側の部屋は、キッチンと仕切ることができるダンボールふすまつき。書斎としてプライベート性を保ちたいときは、ふすまを閉じて中に籠もるのもおすすめ。
リビングの隣は独立した寝室で、ダブルベッドを設置してもゆとりがある広さ。床に敷かれた麻畳はUR都市機構とMUJI HOUSEが共同開発したリノベーションパーツである。同製品はい草の代わりに麻を使用し、柔らかな触れ心地と家具を置ける丈夫さを実現。冬のフローリングのように裸足で触れると冷えてしまうという心配もないため、寝室に最適な床材だ。
麻畳でゆるくつながるお部屋へ
「Plan14」は「Plan13」と同じ2LDKの間取りで、広さは63.86平方メートル。テーマは「麻畳のある床座の暮らし」だ。床座のメリットは、好きな場所で自由にくつろぐことができる上、目線が低くなるため空間を広く感じられること。「Plan14」では、リビング・ダイニング・寝室に麻畳を敷き、ゆるやかなつながりを演出している。リビングからキッチンまで続く空間は、団地とは思えないほどの広がりだ。
3つの部屋はダンボールふすまで仕切ることが可能。来客時や就寝時に寝室を区切ったりできる柔軟性がうれしい。壁には「Plan13」と同様に小天井が設置されており、収納にも困らないだろう。
玄関横に作られた2つ目の寝室は、子供部屋としても使用可能。コンパクトな作りだが、光が差し込む空間となっている。寝室の反対側には独立型のキッチンが設置されている。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトの特徴は、団地が持つ構造や柱などはそのまま生かし、ダンボールふすまや麻畳などの新しいアイディアを取り入れているという点。また入居者が、自分の生活スタイルに合わせて間取り変えられる柔軟性も見逃せない。
UR都市機構は「団地の持つ良き歴史を生かしつつ、これからも多くの方に長く心地よく住みつないでいただけるよう、『こわしすぎず、つくりすぎない』をコンセプトにリノベーションに取り組んでいく」としている。
「品川八潮パークタウン潮路南第一ハイツ」MUJI×URリノベーション住戸の募集期間は2015年1月24日、25日、30日、31日及び2月1日。2月1日の応募受付終了後、抽選を実施する。受付方法等の詳細は、2015年1月上旬にUR都市機構の「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」サイトで発表予定。