スマートフォンの進化とともに1,000万画素クラスの写真やHD動画の撮影に対応するスマホカメラが普及してきている。これら高性能なカメラで撮影した写真や動画はどうしてもスマホのストレージ容量を圧迫してしまう。

iPhoneを使用しているユーザーの多くも「空き容量が足りない」と感じたことがあると思う。写真や動画、音楽トラックなどさまざまなファイルが知らず知らずのうちにたまってしまうものだ。そんな時に使ってみたいのが、iPhone用の外部ストレージである。本稿ではイメーションが提供する「LINK Power Drive」の使い勝手を試してみた。

Lightningコネクタに対応した外部ストレージ「LINK Power Drive」の使い勝手をチェック!

LINK Power Driveは、12月5日より販売を開始した「Lightningコネクタ」および「USB Aコネクタ」に対応した外部ストレージ。内蔵のLightningケーブルをiPhoneに接続し、専用アプリ「Power Drive LT」からiPhone内の写真・動画などを転送・保存することができる。iTunesと同期したり、iCloudと連携したりせずにスピーディにファイル管理が行える点が特徴で、同製品内に保存した動画などのコンテンツをiPhoneに移動させることなく、ストリーミング再生することができる。

イメーションが販売するLINK Power Drive。LightningケーブルおよびUSBケーブルを本体側面に収納できるため、コンパクトに持ち歩けるうえに、ケーブルを忘れることもなく安心

本体サイズは64(H)×73(W)×21(D)mm、重量は約112g。本体側面にLightningケーブルおよびUSBケーブルが収納されている。また、3000mAhのバッテリーを搭載し、外出時の補助電源として利用可能。一部、電力をストレージに用いるため、充電使用可能容量は約2700mAだ。ストレージとバッテリーが一体となった製品としては、比較的コンパクトな設計だと言えるだろう。

ストレージ容量は16GB、32GB、64GBから選択可能。価格はオープン、市場想定価格は16GBが税込9,800円前後、32GBが同12,800円前後、64GBが同17,800円前後。

3,000mAhのバッテリーを搭載。外出先でいざというときも安心

スタンドの役割も果たし、動画視聴時などに便利

他社商品と比較してみた!

今回、LINK Power Driveの性能をチェックするため、市販の同容量16GBの他社商品Aを使って、実際に音楽ファイルを転送してその速度を比べてみた。他社商品Aは、LINK Power Driveと同じくLightningコネクタ対応製品で、USBスティックタイプのコンパクトボディが特長(バッテリー非搭載)。

まずは手持ちのWindows PCでiTunesを起動させ、音楽トラック399ファイル(1.72GB相当)をストレージにコピーする作業を行う。どちらの製品とも、ストレージ内の任意のフォルダに音楽ファイルをドラッグ&ドロップするだけでコピーが始まる仕様だ。

LINK Power Driveの利用イメージ。左からメイン画面、外部ストレージ、メディアライブラリ

PCから他社商品Aへファイルを転送する際は、全ファイルの転送完了まで約7分30秒かかった。一方、LINK Power Driveは、全ファイルの転送を3分20秒ほどで完了した。LINK Power Driveなら、他社商品Aの半分以下の時間で転送できることになる。

他社商品Aの転送速度は平均3.8MB/sほど(写真左)。それに対し、LINK Power Driveの転送速度は平均8.5MB/sほどだった(写真右)

続いて、ストレージからiPhoneへの転送速度を比較する。他社商品AからiPhoneへファイルを転送する際は10分20秒ほどかかった。これに対し、LINK Power DriveからiPhoneへの転送は4分50秒ほどで完了した。先の作業と同様、LINK Power Driveは他社商品Aの倍以上の速度が出ていることが分かった。さらに容量の大きなファイルともなれば、差は歴然としてくることだろう。

今回の比較結果。PCからストレージへの転送、ストレージからiPhoneへの転送ともに、LINK Power Driveの方が2倍以上速いことが分かった

LINK Power Driveはバッテリーを内蔵するためにファイルの転送速度がとにかく速い。大容量のデータもストレスなくバックアップでき、iPadやノートPCなどとデータのやり取りする場合も快適に利用できるだろう。加えて、大容量の動画ファイルをLINK Power Driveに保存しておき、オフライン環境で楽しむといったことも可能だ。

さらには、充電機能も搭載している点もポイントだ。iPhoneで動画を視聴する際、電池の残量が気になるもの。LINK Power Driveであれば充電しながら動画を試聴することができる。

充電中に時計を表示させれば、センスの良い置き時計としても利用できる

今秋発売されたiPhone 6には16GB、64GB、128GBの3タイプが用意されているが、例えストレージ容量の大きなタイプを購入しても、写真や動画、音楽トラックなどが増え、やがては容量不足になってしまうこともあるだろう。micro SDカードでストレージ容量を増やすことができないiPhoneだからこそ、外部ストレージを上手に使いたい。例えば、クラウドに保存したくないデータのバックアップに活用したり、旅行先や機内などインターネットにつながらない環境やサーバ不調時に使用することが可能だ。一方でiCloudなどのクラウドストレージも便利なのは確かだ。転送速度にこだわらない場合はiCloud、スピード重視の場合は「LINK Power Drive」といった具合にうまく使い分けたい。

Androidスマートフォンのように、microSDカードなどで購入後にストレージの拡張ができないのがiPhoneだ。冒頭で説明した通り、「空き容量が足りない」という意見は多い。そんなユーザーにとって「LINK Power Drive」は、ありそうでなかった待望の製品と言えるだろう。