マウスコンピューターからiiyamaブランドの液晶ディスプレイ「ProLite X2888HS」が登場した。28型(1,920×1,080ドット)のフルHDサイズのディスプレイで、MHL対応HDMIや3W×2のスピーカー、ブルーライトカットなどの機能を備えながら、価格は3万円台とコストパフォーマンスに優れたモデルとなっている。
「ProLite X2888HS」は、MVAパネルを採用する28型の大型液晶ディスプレイ。解像度は1920×1080ドットで、昨今のトレンドからいえば高解像度とは言えないが、クリエイティブ系のソフトウェアを使いたい、4Kの映像コンテンツを本格的に楽しみたいといったニーズがないのであれば必要十分だ。なにより、参考価格が税込36,504円というコストパフォーマンスの良さを考えれば、十二分のスペックと言えるだろう。
スペックは必要十分、なにより価格に注目
スペックについてもう少し補足すると次の通りとなる。コントラスト比は3000:1、輝度は300cd平方m、視野角は上下左右178度、応答速度は5ms。インタフェースはVGA、DVI-D、MHL対応HDMI、DisplayPort、HDCPをサポートする。さらに、3W×2のステレオスピーカーも備え、ヘッドホン端子も搭載している。
「ProLite X2888HS」の一番の特長は、”1,920×1,080ドットの28型ディスプレイである”という点だろう。4K解像度など最近の高解像度のディスプレイは、デスクの上に設置して利用した際に、その作業領域の広さが災いしてテキストが読みづらくなどのデメリットが発生することがある。
一方、28型でフルHD解像度の「ProLite X2888HS」は、デスク上で"ちょうど良い"サイズで表示される。Webサイトのテキストサイズはもちろん、デスクワークで必須とも言えるExcelなどの表計算ソフトも快適に利用することができる。
高解像度のディスプレイは、Excelのような細かい文字が大量に表示されるソフトだと、一覧性はいいが個別の文字が読みづらくなる。若手の社会人なら、Excelで資料作りのために大量の数字を入力、数字の正誤を確認するといった作業が必要なこともあるだろう。学生であれば実験や調査のデータを入力して資料を作成するといった利用シーンもあるはずだ。そういう場合にも、「ProLite X2888HS」は、個別の数字を無理なく視認可能。目が疲れにくいというメリットもある。
加えて、実は映像コンテンツを視聴するのにも向いていると筆者は思う。理由は4Kディスプレイも増えてきてはいるが、現時点では肝心のコンテンツがフルHDのものが圧倒的に多いからだ。よって、BD/DVDを再生する、テレビを視聴するといった使い方も不満なくできるだろう。
ちなみに、ノングレアとグレアの中間であるハーフグレアパネルを採用している点も特長だ。「ProLite X2888HS」は一見、光沢のないノングレア液晶に見える。だが、グレアパネルのような鮮やかな色表示を実現しつつ、ノングレアと同様に映り込みを低減するハーフグレアパネルが使用されているのだ。
手ごろな価格を実現しながら多彩な機能を搭載
機能面では次のような特長を備えている。まず「ProLite X2888HS」がVA方式のディスプレイであるということ。同方式は液晶分子を立たせたり寝かせたりすることで明暗を表現する仕様になっており、他の方式に比べて黒をより深く再現できるという。そのため、コントラスト比を高くしやすいという利点がある。
また、VA方式には視野角を広くしにくいという弱点があるが、「ProLite X2888HS」ではMVA(マルチドメインVA)という手法を採用することで、左右方向に178度の広視野角を実現している。
続いてX-ResTech機能だ。同機能は、独自の超解像度技術で画像データを解析、表示がぼやけていればその輪郭部を強調し、それ以外をソフトにするというもの。こちらは、テキストを表示さる際にその威力を発揮する。効果は3段階で設定できるので、自分に合ったものを選ぶとよいだろう。
加えて、ブルーライトカットモードも搭載。目への刺激が強いとされるブルーライトを低減することで、長時間利用時に目の疲れを抑える効果が期待できる。
同時に、LEDを高速で明滅させて輝度をコントロールする「パルス幅変調(PWV)方式」ではなく、LEDの光量自体を調整する「フリッカーフリーLEDバックライト」を採用している点もポイントだ。ディスプレイをビデオで撮影したときに、縞模様が上下に移動しているように見えることがある。この画面のちらつきがフリッカーで、目の疲れや肩のこりなどの原因になると言われている。このフリッカーを低減することができるのが、「フリッカーフリーLEDバックライト」だ。
ブルーライトカットモードおよびフリッカーフリーLEDバックライトの採用により、長文を読んだり、長時間Excelで数字と格闘する、といったシーンでも快適に作業することができる。
このほか、Ecoモードもポイントについても触れておきたい。同機能はその名の通り消費電力を低減する機能で、これも長時間利用する場合に効果を発揮する。
MHL接続に対応! モバイル端末の画面を出力可能
背面には豊富なインタフェースがあるが、HDMIは単にPCやレコーダーなどを接続するだけでなく、MHLに対応している点が特長。MHL対応のスマートフォンやタブレットを接続すれば、これらのモバイル端末の画面を「ProLite X2888HS」に表示することができる。
MHLはスマートフォンのmicroUSBでHDMI出力を可能にする規格で、最近のAndroidスマートフォンはたいてい対応している。MHL対応ケーブルでスマートフォンと本製品を接続すると、すぐにスマートフォンの画面をディスプレイ上に出力可能。スマートフォン内の画像や音楽、映像、ゲームなどを大きなディスプレイに表示できるというのもメリットだ。同時にスマートフォンへの充電も行われるのもいい。メインで利用するPCをDVIやDisplay Portにつなぎ、スマートフォンをHDMIで接続すれば、2つの端末を1つのディスプレイで使い分けることもできそうだ。
さらに、3W×2のステレオスピーカーもうれしい機能だ。MHLは音声も伝送できるので、YouTubeなどの映像や音楽、ゲーム音声も、そのままスピーカーから再生できる。スマートフォンゲームを大画面で楽しんだり、スマートフォンに保存した資料を大画面に表示して家族で楽しんだりといった使い方もできる。
学生や若手の社会人などにオススメしたい
「ProLite X2888HS」は、デスクの上に設置して利用するのに最適な液晶ディスプレイだ。本稿で紹介したとおり、“28型の大画面にフルHD解像度“という組み合わせの使い勝手がよい。"超高解像度"など派手な機能は搭載していないが、堅実かつ実用的な液晶ディスプレイと言えるだろう。
なにより、3万円台というお手頃な価格が魅力で、一人暮らしの学生や若手の社会人などにオススメしたい。「大画面の液晶ディスプレイが欲しいけど値段が……」という方は、ぜひ「ProLite X2888HS」をチェックしていただきたい。