現行のiPhoneには、微弱な地磁気を検知する磁気センサーが内蔵されている。その磁気センサーを使い方位を測定する機能が「電子コンパス」(デジタルコンパス)であり、付属のアプリ「コンパス」から利用できる。以前は本体を水平に持たないと正しく測定できないこともあったが、iPhone 4以降内蔵されている「3軸ジャイロスコープ」の補正により、持つ方向に影響されなくなっている。
しかし、磁気センサーを利用することに変わりはないため、周辺の磁気に影響を受ける。「コンパス」を起動すると「画面を傾けて、円に沿ってボールを転がします」というメッセージが現れ、iPhoneをいろいろな方向へ傾ける作業を強制させることは「キャリブレーション」(計測器具の偏りを調整する作業)の一種であり、これで磁気センサーをもとの状態に戻すことができる。
逆にいえば、iPhoneを磁気の強い場所に置けば、強制的に磁気センサーのキャリブレーションを行うことができる。正確な方位を測定するときには、念のためキャリブレーションを完了させておいたほうが確実だ。
磁気の強い場所といっても、なかなか思い浮かばないかもしれないが、身近にいくらでもある。たとえば、パソコン。ノートパソコンであれば、キーボードの上に30秒ほど置いておけば、磁気センサーがCPUや内蔵スピーカーといった機器の影響を受け、キャリブレーションが必要な状態になるはずだ。ヘッドホンなどあまり強すぎない磁力を持つデバイスの近くに置いてもいいだろう。
ただし、iPhoneに磁力の影響を与えたあとは「コンパス」を再起動すること。そうすれば、次に「コンパス」を起動したとき、キャリブレーションが始まるはずだ。
操作手順をカンタン解説
(提供:iPad iPhone Wire) |