10月20日(米国時間)のサービス開始直前に全米500の銀行がサービスに対応したことを発表した「Apple Pay」だが、米Appleの説明によれば、間もなく新たに数十の銀行がサービスに対応し、全米のクレジットカード取引量全体の90%をカバー可能になるという。
同件は米New York Timesが12月16日(現地時間)に報じている。新たに加わるのはSunTrust、Barclaycard、USAAなどで、すでに対応を発表しているCommerce BankとUW Credit Unionに加え、あらたに十数の銀行が追加されることになる。500行という数字は非常に大きくも思えるが、全米の銀行数から考えれば1割程度の規模だ。ただし、すでに主要銀行の多くをカバーしていることから、取引量ベースでは全クレジットカード決済の90%近くに相当する。
またNYTによれば、オフィス用品のStaplesが全米1400店舗でのApple Payの取り扱いを開始したという。Winn-DixieやAlbertsonsといった全米チェーンでもApple Payに対応したほか、バスケットボールチームのOrlando Magicが拠点とするAmway CenterでもApple Payによる支払いへの対応を表明している。
Apple Payそのものは既存のNFC決済インフラをベースにしたものであり、Apple Payへの対応が特別な要件を持つものではない。これらが意味しているのは、Apple Payを中心としたNFCの決済インフラが全米規模で整いつつあること、そして「Apple Pay対応」をあえてうたうことで顧客へのアピールを兼ねている点にある。決済金額としてはまだ小規模ながら、Appleがモバイル決済のトレンドリーダーとして機能していることを如実に示す例だろう。