生理周期と機嫌は連動

女性の心と体は、女性ホルモンの影響により生理周期で大きく変化します。一方、生理のない男性は、女性ほどホルモンに周期的な影響を受けることがありません。そんな男性から見ると、コロコロ変わる女心が理解できないかもしれませんね。そこで今回は、生理周期ごとの女性の変化と「気持ち」を中心に解説します。自分の気持ちのコントロールに悩む女性はもちろん、女性の機嫌の変わりやすさに戸惑っている男性も必見です!

低調ながら、後半には徐々にリセットする「月経期(生理)」

月経期、いわゆる生理中は痛みがある人も多く、体調が良いとは言えません。体調にあわせて気分もダウンしやすい時期。彼氏や身近にいる男性は、やさしく労ってあげるといいでしょう。ブルーな印象が強い月経期ですが、最初から最後までずっと低調というわけでもありません。生理が終わりに近づくと卵胞ホルモンの分泌が始まり、徐々に体も心も軽くなってきます。

お肌ツヤツヤ! 恋愛モード全開の「卵胞期」

卵胞期は、生理周期の中でももっとも好調な時期。卵胞ホルモンの分泌がピークになるため肌は潤いを増し、つやつやの美肌に。代謝が良くなるので体はすっきり。気持ちも安定し、仕事にも恋愛にも意欲的になれます。

意中の男性がいる女性はこの時期にデートの予定を入れるのがおすすめ。男性側は、彼女が体の内側から輝く時期を把握してデートやイベントを計画すると、彼女の機嫌もよく会話が弾むでしょう。さらに、肌の美しさなどを褒めてあげると喜ばれるはず。

「排卵期」は、穏やかで安定傾向

「排卵期」は比較的落ち着いた期間と専門医は語る

排卵期は、排卵出血やお腹や腰に排卵痛を感じる人もいますが、通常、生理痛ほどになることはありません。比較的落ち着いた気持ちで過ごせる時期と言えるでしょう。

イライラしたり落ち込んだり……とにかく不機嫌な「黄体期」

次の生理前1~2週間の黄体期は、黄体ホルモンの分泌が急激に増えてホルモンバランスが激変するため、体も心も不安定に。理由もなくイライラしたり、不安になって落ち込んでしまったり、小さなことにクヨクヨしたりしやすくなります。また、黄体ホルモンは皮脂の分泌を促進するため、ニキビ・肌荒れも起こりやすい状態に。

不調を感じる人は、なるべく予定を少なめにしてストレスを減らす工夫を。この時期、男性は彼女からキツい態度を取られることがあるかもしれませんが、生理前だとわかっているなら大目に見てあげることも大切です。また、この時期の女性の体はむくみやすくなっていますが、うっかり「太った? 」なんて言葉をかけないように。

このように、「生理周期」の知識は、恋愛にも活かすことができるのです。男性にとっては変わりやすく不可解に思えた女性の気持ちも、思いやりを持って理解できるようになるかもしれませんね。

※画像は本文と関係ありません

善方裕美 医師

日本産婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医
1993年高知医科大学を卒業。神奈川県横浜市港北区小机にて「よしかた産婦人科・副院長」を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママでもある。

主な著書・監修書籍
『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』
『だって更年期なんだもーん―なんだ、そうだったの?この不調(主婦の友社)』
『0~6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など