関西電力は17日、電気料金の再値上げに向けて準備を開始すると発表した。東日本大震災以降、2度目の値上げは北海道電力に次いで同社で2社目。2015年4月の値上げを目指すという。

同社は2013年、最大限の経営効率化と、高浜発電所3、4号機および大飯発電所3、4号機の再稼動を前提に、電気料金の値上げを実施。以降、電気料金に織り込んだ経営効率化を進めてきたと同時に、原子力プラントの再稼動に向けて、原子力規制委員会による新規制基準適合性に係る審査について、対応してきた。

その結果、高浜発電所3、4号機については、原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案が提示されたほか、大飯発電所3、4号機は、基準地震動について概ねの了解まで得たものの、審査は現在も継続中で再稼動時期の目処は立っていない。同社は2014年12月の時点で、すでに昨年の料金改定時に前提とした時期に比べて、火力燃料費などの負担が大幅に増えており、2014年度の決算も過去3期に引き続き赤字が見込まれているという。

同社は、これ以上厳しい収支状況が続けば、財務基盤が悪化し、燃料調達や設備の保守・保全などに必要な資金調達が困難になるなど、電力の安全・安定供給に支障をきたすおそれがあるとして、電気料金の再値上げに向けて準備を開始することを決定。値上げの具体的な内容については、決定次第案内するとしている。