富士サファリパークは12月6日より、シマハイエナの赤ちゃんの一般公開を開始した。
国内でもめずらしい、シマハイエナの赤ちゃんが誕生
現在のシマハイエナの国内飼育状況(動物園水族館協会の加盟園館)は、羽村市動物園(2頭)および同園(5頭)だけと、国内でもたいへん珍しい存在となっている。同園では2008年にシマハイエナを導入し、来園者に動物の生態を紹介しながら、繁殖に取り組んできた。
今年の夏に繁殖行動を確認し、10月中旬頃から出産に備えていたところ、10月25日にオスの赤ちゃん1頭を出産した。生まれた時の赤ちゃんは体長25cm、体重670gで、飼育係の手のひらにおさまるほどの大きさ。また、母親と同じようにしま模様の体で、背中にはタテガミような毛が生えていた。
出産したのは推定9歳のメスで、出産直後から赤ちゃんの世話をする様子が見られなかったため、人工哺育で育てることにしたという。
人工哺育は他の動物園での事例を参考にしたり、同園におけるライオンやトラの人工哺育の経験を活かしながら取り組んだ。飼育係の心配をよそに、赤ちゃんは食欲旺盛でミルクをよく飲み、すくすくと成長。11月末時点では体長50cm、体重 2.9kgほどになり、体調も安定してきたことから、一般公開することとなった。
現在は「ふれあい体験棟」と呼ばれる建物内で、赤ちゃんがヨチヨチ歩いたり、飼育係がミルクを与えたり、タオルで体を拭いたり、糞尿の世話を行なう様子などを観覧できる。来園者からは、「しましま模様がかわいい」「子犬みたいだね」などの声が聞かれ、たいへん人気となっているという。
同園の所在地は、静岡県裾野市須山藤原2255-27。なお、天候や動物の体調などにより、予告なく展示を中止する場合がある。