2013年に携帯業界で話題になった言葉に「第3のOS」がある。当時、iPhoneのiOSとAndroidが2大OSとして、ほとんどのスマートフォンに採用されていた。それに対抗する「第3極」としての立ち位置を目指したOSのことだ。
そして2014年末になって、その第3のOSとして名前の挙がったOSを搭載した製品が、ようやく日本でも携帯キャリアから登場する。それが「Firefox OS」だ。12月23日に、KDDIが製品発表をすると見られており、国内では一般消費者向け初の発売となる。いよいよ登場するFirefox OSとは何か、ここでは解説してみたい。
Firefox OSは第3のOS
Firefoxは、オープンソースで開発されるWebブラウザで、非営利団体のMozillaが開発を行っている。このMozillaが開発するスマートフォン向けのOSがFirefox OSだ。2013年2月に、バルセロナで開催されたモバイル向け展示会「Mobile World Congress 2013」でKDDIがサポートを表明しており、今回、その公約通り端末が登場することになる。
2013年当時、iOSとAndroidが市場支配を強化する中、すでに存在していたマイクロソフトのWindows Phoneも市場拡大に苦戦しており、そうした中で登場した新しいOS群が「第3のOS」と呼ばれていた。正確にはWindows Phoneも入れるべきだろうが、通常はFirefox OS、Tizen、Ubuntuといった新興のモバイル向けOSが第3のOSといわれていた。
その後、TizenはデジタルカメラやスマートウォッチのOSとしては使われているものの、いわゆるスマートフォンとしてはまだ採用されておらず、Ubuntuも市場に出回っていない。そうした中、Firefox OSは順調に採用端末を拡大し、10機種以上が販売されている。