「オフィス環境が良くない」というと、「暗い」「狭い」「古い」などをイメージするだろう。今回は100社以上のオフィスを訪問取材してきたというオフィスミル 代表取締役 白木航さんに、「良くないオフィス環境にありがちなこと」を教えてもらった。

ありがちなこと1:社長の趣味が全開

白木さんの口から真っ先に出てきたのは「社長の趣味が全開」という言葉。一体どういう意味なのだろうか。

白木さん「うまいとはいえない直筆の書や奥さんが描いた微妙な絵が飾ってあるとか。あれはやめて欲しいですね(笑)。社長の趣味を前面に出すのは、良くないオフィスにありがちです。社員で取り組むべきオフィスづくりが、社長の自己満足になってしまうんですよね」

社長の趣味が全開(画像はイメージ)

確かに、仰々しく額装された社長の書が飾られていると、「この社長、自己主張が強そう…」と思うかもしれない。では、社員がデスクで趣味を全開にするのはどうなのだろうか?

白木さん「デスクなどのパーソナルエリアにフィギュアを飾るのは良いんです。自分の城に好きなものを置くことで、やる気が出たり気持ち良く仕事に挑むことができますから。世界的なIT企業の社員も、デスクにいろいろ飾ったりしていますよ。ただし、他の人の迷惑にならないことが前提ですけどね」

白木さんもデスクにちょっとした小物を置いているという。マイナビニュースのアンケートでも9.8%が「キャラクターやアーティストのグッズでデスク周りを彩っている」と回答している。やる気をアップするためのアイテムは人それぞれ。デスクに飾りたいグッズを探すのも楽しいかもしれない。

ありがちなこと2:デザインに凝りすぎ

その2は「デザインにこだわりすぎたオフィス」だ。家具でも、デザインが凝り過ぎてて使いづらいということはよくある。それはオフィスでも同様だという。

白木さん「デザインを重視しすぎて、社員のことを考えていない職場もありがちです。かっこよさを目指すあまり、使い勝手が悪かったりとか。デザインと使いやすさのバランスをきちんととれているかが重要ですね」

他社にはないおしゃれなオフィスを作っても、社員が使わないと意味がない。社員の使い勝手なども考慮して、取り組む必要がありそうだ。

ありがちなこと3:真っ赤なオフィス

最後にオフィスのカラーリングについて、次のように指摘があった。

白木さん「真っ赤なオフィスはおすすめしません。『ラッキーカラーは赤』という経営者が、オフィスを壁から家具まで赤で統一にしたりするんですよ。けれども、赤は心理的に興奮する色なので、疲れ・ストレスを感じやすいんです。オフィスなのに『疲れて帰りたくなる環境』というのは意味がありません。ただし、赤い椅子などポイント使いであれば問題ありません」

赤色は、集中を要する勉強部屋にも向かないとも言われている。壁4面が赤という会社は少ないだろうが、人を疲れさせる環境では仕事の効率も上がらない。オフィスのカラーリングにも気をつけたいところだ。

ちなみにおすすめの色使いは、緑やオレンジなどのビタミンカラー。白木さんいわく「人を元気にさせる色なので、導入してみてほしい」とのこと。

以上がオフィス情報を専門的に扱ってきたプロによる「良くないオフィスにありがちなこと」だ。マイナビニュースでは、白木さんによる「良いオフィスの条件」についても紹介しているので、そちらを参考にオフィス環境の改善に取り組んでほしい。