ダイハツ工業は12日、都内で新型「ムーヴ」報道発表会を行った。フルモデルチェンジした新型「ムーヴ」は同日から販売開始。「ムーヴ カスタム」に新グレードも設定された。
軽乗用車「ムーヴ」は1995年、同社初の「スペース系軽自動車」として発売以来、年齢・性別問わず親しまれる基幹車種のひとつ。今回のフルモデルチェンジでは、軽量高剛性ボディ骨格構造「Dモノコック」や足回りの細部まで改良を加えた「Dサスペンション」などの採用で、基本性能が大幅に向上。衝突回避支援システム「スマートアシスト」に、軽自動車初となる後方誤発進抑制制御機能を追加し、安全性向上も図った。
デザインの自由度も向上し、新型「ムーヴ」が厚みのある造形で安心感を表現したのに対し、新型「ムーヴ カスタム」は上級指向の意匠をめざし、迫力と存在感を表現するなど、それぞれ個性を打ち出している。新型「ムーヴ カスタム」に新たなグレード「ハイパー」を設定したのも特徴。存在感あるLEDランプをはじめ、エクステリア・インテリアともに専用デザインを採用することで、上質感・高級感を演出したという。カラーバリエーションは「ムーヴ」史上最多となる全21色が設定された。
2WDにおいて、NA車全グレードで31.0km/リットル、ターボエンジン車も27.4km/リットルの低燃費を実現。軽乗用車の本質といえる低燃費・低価格をベースに、基本性能を向上させ、先進装備も搭載することで、軽乗用車の本流をいっそう追求するとしている。「スペース系軽自動車を牽引した"ど真ん中"のクルマだけに、今後も基本性能や質感、商品力を大事にしつつ、幅広いニーズに応えていきたい」とのことだ。
ダイハツ工業は今年、新型「ムーヴ」の他にも、「ウェイク」「ハイゼット トラック」「コペン」など、新型車の発表やフルモデルチェンジ・マイナーチェンジを積極的に進めてきた。報道発表会に出席した同社取締役社長、三井正則氏は、今年は消費増税による反動減があったとしつつ、「量販車のモデルチェンジを相次いで実施したこともあり、ここに来て少し、来店されるお客様が増えてきたという感触があります。フルラインナップで商品提供を行うことで、来年1~3月は期待できるのでは」と話していた。
新型「ムーヴ」の価格は113万4,000~149万5,800円(税込)、新型「ムーヴ カスタム」(新グレード「ハイパー」も含む)の価格は140万4,000~179万2,800円(税込)。あわせてフレンドシップシリーズ(福祉車両)「ムーヴ フロントシートリフト」もフルモデルチェンジして発売され、価格は127万~157万円(税別)となっている。