2018年に世界同時公開が予定されているガイナックス制作の『蒼きウル』

人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』や『ふしぎの海のナディア』で知られるアニメ制作会社ガイナックスは、創立30周年企画作品として、1987年に劇場公開されたアニメーション映画『王立宇宙軍~オネアミスの翼』の後の世界を描いた作品『蒼きウル』を、2018年に世界同時公開することを発表した。

『蒼きウル』は、『王立宇宙軍~オネアミスの翼』や『アベノ橋魔法☆商店街』を手がけた山賀博之氏が監督・脚本、『新世紀エヴァンゲリオン』や『ふしぎの海のナディア』で知られる貞本義行氏がキャラクターデザインを担当。1990年代前半に企画が持ち上がっていたものの1993年に凍結し、2013年には「東京国際アニメフェア2013」で再始動が発表されていた。11月の「第27回東京国際映画祭」では庵野秀明監督が「アニメーターの技術としては、今でも『王立宇宙軍 オネアミスの翼』が最高峰」と語り、注目を集めた。

制作は、日本で多用される製作委員会方式を取らず、シンガポールに設立したLLP「Uru in Blue LLP」を主体とし、世界中から資金と人材を集めて、世界市場を狙うオリジナル劇場版アニメーションの製作を目指しているという。LLPは、Limited Liability Partnership(リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ)の略で、特定の事業を目的とする組合契約を基礎に形成された企業組織体のことをいう。本作は、2015年春に先行短編であるOverture版、2018年に本編の世界同時公開。全く新しい戦闘機アニメーションになるという。

「『蒼きウル』はガイナックスにとっても特別な作品」と語る山賀監督は、「技術的にも制作方式についても新機軸を打ち出していきます」とし、「世界中の新しい技術を使い、世界中の優れたクリエイターたちと一緒に制作していきたい」と意欲を語っている。

(C)URU IN BLUE LLP