世界各国どこでも見かけるマクドナルド。日本に「てりやきマックバーガー」があるように、マクドナルドにはその国の食習慣に合わせたご当地メニューがあるが、小さな島のハワイにも、ハワイでしか食べられない限定メニューがある。ただ単に珍しいだけではなく、なぜそのメニューなのかを知ることで、ハワイの食文化、歴史までも知ることができるのだ。
朝マックにホカホカご飯とアロハ醤油
ハワイ限定メニューの中で最もハワイらしさを感じるのは、「ローカル・ブレックファスト・プレーター」という朝食メニュー。スパム、または、ポルトガルソーセージのスライスとスクランブルエッグ、白いご飯が1皿に盛られたもので、この組み合わせがハワイの定型的な朝食なのである。これにメイドインハワイのアロハ醤油と塩コショウがついてくる。
今回は「スパム・エッグ&ライス」(4.69ドル)をチョイス。正直、このままでは味気ないが、地元の人はご飯に醤油をかけたり、スパムをフォークでカットし、ご飯と卵、醤油や塩コショウをミックスしてチャーハン風にアレンジして食べているのだ。醤油やポルトガルソーセージがハワイで食されているのは、移住してきた各国移民が故郷の味を広めたから。スパムはハワイが全米No.1の消費量を誇る超定番フードである。
マクドナルドに汁そばがある!
ハワイのご当地メニューで最も有名なのが、インスタントカップ麺の「サイミン」(3.19ドル)だ。サイミンとはハワイのローカルフードで、干しえびダシのあっさりスープにコシのない太いちぢれ麺、錦糸たまご等が入ったハワイ版の汁そば。20世紀初頭、農園で働く日系移民が故郷の味を懐かしみ、中華麺を日本のだし汁に入れたのがサイミンの始まりと言われている。
マクドナルドのサイミンは、えびダシがうっすら感じられる優しい味(インスタントゆえにお湯の入れ加減による)。こちらも、アロハ醤油と塩コショウで自分好みにカスタマイズしよう。ビーチで冷えた身体にスープが染み渡るはず。
デザートだってハワイ味
日本でもいろいろな種類が販売されているサイドメニューの「パイ」(1ドル)。ハワイでは、ハワイ版ココナッツプリンの「ハウピア」、古代ハワイアンから受け継がれた主食「ポイ」の原料である「タロイモ」など、月替わりでフレーバーが楽しめる。また、ハンバーガー等のセットにカットパインがついてくるのも南国ハワイらしい。
今回、朝マックに訪れたのは、ワイキキのメイン通り、カラカウア通りの路面店。ワイキキビーチが目の前に広がるぜいたくなロケーションだ。観光地にあるため、ほかのエリアの店舗に比べて値段は高めだが、ぜひ、ハワイを訪れた記念に訪れてほしい。
※記事中の情報・価格は2014年11月取材時のもの
筆者プロフィール : 森谷貴子(もりやたかこ)
フリーランスライター。総合情報サイト「オールアバウト」ハワイガイド。1991年にハワイを訪れて以来その魅力にとりつかれ、以降ハードリピーターに。実際に「行って・見て・感じて」の旅行者目線のレポートで、ガイドブックよりもディープな情報やいつもと違ったハワイの楽しみ方を発信中。ほか、ウェブサイト、ラジオ、雑誌等へ寄稿多数。