俳優の伊武雅刀、三島有紀子監督らが11日、東京・新宿ピカデリーで開催された映画『繕い裁つ人』(2015年1月31日公開)の完成披露試写会に出席し、舞台あいさつを行った。

100本目となる出演作について思いを語った伊武雅刀

本作は、漫画家・池辺葵が漫画雑誌『ハツキス』(講談社)で連載中の『繕い裁つ人』を原作に、『しあわせのパン』(2012年)や『ぶどうのなみだ』(2014年)などで知られる三島有紀子監督がメガホンを取った作品。祖母が始めたこだわりの洋裁店を受け継いだ2代目の店主・市江を中谷美紀が演じ、彼女の「世界で1着だけの一生もの」というこだわりが、ブランド化を勧める営業マン・藤井との出会いによって揺れ動いていく。

ベテランの仕立屋・橋本を演じる伊武は、4日前に本作を観た時のことを「観終わって、誰にも会いたくなくて。一人でうちに帰って土鍋で湯豆腐を作って。お酒を飲んで、丁度満月だったんですよ。ものすごくお酒がおいしかったです」と振り返り、「そういう映画です」とアピール。

三島有紀子監督から「どうしても必要なカットだから絶対やってほしい」と頼まれたミシンのシーンに関して「ミシンも足踏みで大変でしたが…映画をご覧になると分かるんですけどカットされました!」と暴露し、三島監督が「ごめんなさい!」と謝る場面もあった。

また、本作が100本目の出演映画であることが発表されると会場からは拍手。「いい作品に出会えて最高じゃないですか。これがつまんない作品だったら悲しいんですけどね。やったーという感じです。以上!」と照れくさそうに締めくくった。

この日は伊武、三島監督のほか、中谷美紀、三浦貴大、片桐はいり、黒木華、杉咲花、中尾ミエが出席し、作品のテーマに合わせて「今日のための特別な1着」で登場。和装の伊武は、「洋裁店の話なんです。うんざりするほど洋服が出てきますので、裏切った意味で和のテイストを。生地はスーツ」と説明し、「京都で作っているんですけど、日本人として着ていて気持ちがいい一着です」とうれしそうに語った。