米AMDは9日(現地時間)、同社製のAPUとGPUに対応するドライバ「Catalyst」の最新バージョンを公開した。今回のアップデートは、20以上の機能追加を行った大規模なもので、特別に「Catalyst Omega」というバージョン名が付けられた。
今回のアップデートに当たり、ユーザーコミュニティからフィードバックを得て、数十にもおよぶバグや機能改善のリストを作成し、より要望が寄せられた課題に対して修正を行った。
一般ユーザー向けには、動画補完機能「AMD FLUID MOTION VIDEO」の対応製品を追加。35Wの低電圧APUでも利用が可能となった。さらに、低解像度の動画に対する「超解像技術」や、仮想的に大きな画面サイズで映像を描画し、実際に使っているディスプレイ解像度にダウンスケールすることで、映像の品質を改善する「VIRTUAL SUPER RESOLUTION」といった機能を追加する。
大きな画面サイズで描画した映像をダウンスケールして表示することにより、品質を改善する「VIRTUAL SUPER RESOLUTION」。基本的な考え方はNVIDIAのDSR(Dynamic Super Resolution)と同じものと思われる |
また、DELLがALIENWARE 13で採用した「ALIENWARE Graphics Amplifier」のサポートに加えて、5Kディスプレイへやディスプレイ表示技術「FreeSync」への対応も行われている。
性能面でもドライバの最適化により、APUでは"Kaveri"がローンチした際のCatalyst 14.2と比べて最大29%、GPUでは最大19%の性能向上を実現したという。さらに従来の最新ドライバであったCatalyst 14.9と比べても最大15%程度のパフォーマンス向上が得られるとしている。
このほか、Linuxにおける動画アクセラレーション「VAAPI」のサポートなども行われている。
開発者向けには、髪の毛の動きをリアルに表現する「TressFX」を"3.0"へバージョンアップした。動物の毛皮のレンダリングに対応し、よりリアルに動物を表現できる。また、OpenCL 2.0やCodeXL、OpenGL ES 3.0のサポートも行われる。
さて、マイナビニュースでは「Catalyst Omega」のより詳細な解説やパフォーマンス評価行っているので、こちらも合わせて確認いただきたい。