JR西日本が大阪環状線・桜島線(JRゆめ咲線)への投入を発表した新型車両323系。現在活躍する通勤形電車103系・201系の片側4ドアに対し、323系は片側3ドアの車両となった。
現在の大阪環状線は、1960年代から続く通勤形電車による環状運転の他に、阪和線から関空・紀州路快速、関西本線(大和路線)から大和路快速などの列車も乗り入れる。そのため、片側3ドアの近郊形電車(221系・223系・225系)と片側4ドアの通勤形電車(103系・201系)が混在して走行する路線となっている。
JR西日本は昨年度、大阪環状線を重点線区と位置づけ、「大阪環状線改造プロジェクト」を立ち上げて総合的なブラッシュアップに取り組むことに。その重点施策のひとつに「車両新製」が挙げられ、ドア枚数も検討項目とされていた。今年2月、平日の朝通勤時間帯(大阪駅を8時前後に発車する電車が対象)に片側3ドアの車両を集中運用する試みも実施。その結果、片側3ドアの車両でも列車遅延などの影響は少ないと判断され、新型車両の投入でドア枚数の統一が図られることになったという。
新型車両323系は8両編成。ステンレス製車体で、北陸本線に投入された521系3次車、広島地区に投入予定の227系を踏襲した外観デザインに。大阪環状線の従来車両で親しまれてきたオレンジ色を窓回りや窓下の帯、扉付近などに採用した。車体前面・側面にデザインされた「大阪環状線改造プロジェクト」のロゴマークや、ドアの位置や動作状況をわかりやすくするために配置されたというドア先の黄色のラインも特徴に。車内はロングシートで、混雑が予想される8号車(大阪駅での天満方先頭車)では出入口スペースが拡大される。
客室灯具はLED化され、案内ディスプレイを各車両8カ所(16画面)設置。無料公衆無線LANサービスも提供する。車いす・ベビーカースペースや優先座席の個別袖仕切りを設けるなど、バリアフリーにも対応。JR西日本では初となるEB-N形装置(運転士異常時列車停止装置)を設置したことも特徴に挙げられる。最高運転速度は時速100km。
同車両は2016~2018年度にかけて168両(8両編成21本)を大阪環状線・桜島線(JRゆめ咲線)へ順次投入し、国鉄時代に製造された従来車両103系・201系をすべて置き換える計画だ。なお、新型車両323系の発表に合わせ、JR西日本は大阪環状線のプロモーションムービーも公開している。