財務省は8日、2014年10月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は8,334億円の黒字となった。黒字は4カ月連続。前年同月は1,543億円の赤字だった。
貿易・サービス収支は9,831億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で4,482億円縮小した。赤字は31カ月連続。
貿易収支は7,666億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で1,555億円縮小した。赤字は16カ月連続。自動車や船舶を中心に輸出が増加し、通信機や航空機類を中心とした輸入の増加幅を上回ったことで、赤字幅が縮小した。
輸出額は前年同月比6,615億円(11.2%)増の6兆5,669億円で、20カ月連続の増加。輸入額は同5,060億円(7.4%)増の7兆3,335億円で、5カ月連続で増加した。
また、同省関税局がまとめた2014年10月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比5,857億円(9.6%)増の6兆6,887億円となった。主要地域別では、対米国が同1,041億円(8.9%)増、対ASEANが同997億円(10.8%)増など。商品別では、自動車が同591億円(6.2%)増、船舶が同555億円(53.9%)増、鉄鋼が同367億円(11.8%)増などとなった。
輸入額は前年同月比2,222億円(3.1%)増の7兆4,256億円。主要地域別では、対中国が同1,596億円(9.6%)増、対米国が同858億円(14.6%)増など。商品別では、通信機が同794億円(29.6%)増、航空機類が同392億円(125.8%)増、原粗油が同1,309億円(10.8%)減などとなった。
サービス収支は2,165億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で2,927億円縮小した。10月は訪日外国人旅行者数が単月として過去最高の127万1,700人となり、「旅行収支」が黒字に転化したほか、「知的財産権等使用料」の黒字幅が拡大したことなどにより、赤字幅が縮小した。
第1次所得収支は2兆186億円の黒字。黒字幅は前年同月比で6,578億円(48.3%)拡大し、10月としては過去最大、単月としても過去3番目の大きさとなった。直接投資に係る配当金・配分済支店収益等の受取増加などにより直接投資収益が増加したことに加え、証券投資に係る債券利子の受取増加などにより証券投資収益も増加したため、黒字幅が拡大した。
第2次所得収支は2,021億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で1,182億円拡大した。