連合(日本労働組合総連合会)は、20歳~59歳の被雇用者を対象に「ブラック企業に関する調査」を実施した。調査は11月1日~6日にかけて行い、3,000名(男性1,500名、女性1,500名)から有効サンプルを得た。
国がブラック企業対策に取り組んでいると思うか聞いたところ、「しっかり取り組んでいると思う」はわずか2.1%にとどまった。「不十分だが取り組んでいると思う」と評価した割合は30.6%。「全く取り組んでいないと思う」は48.2%で、約半数は国がブラック企業対策に対して、全く取り組んでいないと感じていることがわかった。
さらに、勤務先をブラック企業だと思っている層では「全く取り組んでいないと思う」の割合は63.9%で、ブラック企業だと思っていない層の42.4%に比べ高くなっている。勤務先をブラック企業だと思っている層ほど、国のブラック企業対策に厳しい目を向けている様子がうかがえる。
ブラック企業対策として国に進めて欲しい制度や取り組みを聞いたところ、「ブラック企業の社名公表」(65.0%)が最も多かった。以下、「労働基準法違反の取締を強化」(46.2%)、「ブラック企業の相談窓口設置」(44.4%)、「労働基準法違反の厳罰化」(44.0%)、「離職者数の開示」(36.5%)と続いている。
また、勤務先がブラック企業だと思っている層について見てみると、「離職者数の開示」は46.8%(全体36.5%)、「休日・休暇は強制的に取得」は42.7%(全体32.8%)と、全体に比べ約10ポイント高くなっている。
いわゆる「残業代ゼロ法案」と呼ばれる"ホワイトカラー・エグゼンプションの導入"について、国会や行政で議論されていることを知っているか聞いたところ、「知らなかった」(57.1%)が最も多く、「議論の内容まで知っている」は10.0%にとどまった。「聞いたことがある程度」(32.9%)と合わせても、認知率は42.9%と半数以下だった。
同制度の導入について、内容を説明後、賛成か反対かを聞いたところ、『賛成(計)』は29.3%(「賛成」5.8%、「どちらかといえば賛成」23.5%の合計)、『反対(計)』は70.7%(「どちらかといえば反対」42.7%、「反対」28.0%の合計)となり、反対派が7割となった。