日本経済研究センターは4日、2014年~2025年までの第41回(中間報告)中期経済予測を発表した。それによると、日本経済は当面1%程度の実質成長は可能としながらも、財政の持続可能性については疑問が残ると分析している。
中間報告では、消費増税の延期、法人減税の実現に向けた動きを踏まえ、現在の状況を延長する形でのベースラインのシナリオを予想している。
実質成長率(年平均伸び率)については、2011年~2015年が0.8%、2016年~2020年が1.1%、2021年~2025年が1.0%と予測。2014~2025年の期間は、低水準の実質金利、法人減税、円安、世界経済の成長に支えられ、投資が増えて消費も緩やかながら拡大するため、経済は潜在成長率をやや上回る成長が可能となると見込んでいる。
しかし、政府の累積債務残高は対名目国内総生産(GDP)比で増加を続けるため、「財政の持続可能性については疑問符がついた状態のままである」と懸念している。
物価上昇率については、人口減少・高齢化により消費の拡大が鈍化するなど、内需が脆弱な状態を続けるため、物価の上昇力が限定され、日銀の物価目標である2%には届かないと見ている。
貿易については、輸出は世界経済の拡張を受けて増加するものの、国内供給力の伸びの不足により、経常収支の赤字化が予測期間中には避けられないと予想。産業・就業構造については、医療・介護部門が拡大し、就業者数は1,000万人を超えると見込んでいる。