「え!? 福岡って牡蠣の産地だっけ??」と言う人も多いはず。実は福岡市は博多湾と背振山系に囲まれた自然豊かな地形であるため、身が大きくて濃厚な牡蠣がごっそりとれる名産地なのである。そんな福岡市で話題の牡蠣小屋には、ちょっと変わった牡蠣メニューもあるのだ!
全国2位の「唐泊恵比須かき」は福岡生まれ
福岡市のブランド牡蠣である「唐泊恵比須かき」は、2012年開催の「第一回かき日本一決定戦」で"総合"2位、"食感部門"と色・カタチ・貝柱の太さなどの均一性を見る"デザイン部門"では日本一となった実力牡蠣。そんな自慢の地物牡蠣でもてなす牡蠣小屋が、11月より福岡市および隣接する糸島市の漁港で続々とオープンしている。
一見するとビニールハウスのようにも見える牡蠣小屋の中には、誰もが自然とくつろげる空間が広がっている。新鮮な牡蠣を炭火で自由に焼き、焼きたてをナイフでパカッとあけてほおばり、そして飲む! アツアツの牡蠣とビールで、気分は冬のビアガーデンである。
「牡蠣小屋」には焼き牡蠣はもちろん、牡蠣めし、牡蠣グラタン、牡蠣スパゲティといった牡蠣小屋独自のオリジナルメニューもあり、バラエティーに富んだ牡蠣の魅力を楽しめる。3月下旬までの土日・祝日は行列必至! 福岡県人にとって「牡蠣小屋」は、楽しくておいしい冬のお楽しみなのである。
海鮮居酒屋×ちゃんこ風麺屋で牡蠣小屋を
そんな福岡で話題になっているのが、天神に店を構える「磯貝めんちゃんこのかきごや」だ。福岡を代表する海鮮居酒屋「磯貝」と、ちゃんこ鍋風のオリジナル麺料理で人気の「博多めんちゃんこ亭」のコラボ店で、昨年は5万人を集客。今年で2回目となる冬季限定店である。
福岡の牡蠣小屋の多くは都心から離れた場所にあるため、なかなかすぐには行けないばかりか、アクセス方法が車になるとお酒も飲めない。そこで、「バスや電車で簡単に行けて、仕事や買い物帰りに寄れる牡蠣小屋があれば面白い!」ということで天神で始めたら、連日大盛況と「博多めんちゃんこ亭」代表の米濱裕次郎さんは言う。場所は西鉄(福岡)天神駅と地下鉄天神駅そば。夏はビアガーデンスポットとしておなじみの福ビルの屋上である。
牡蠣のダシも染み込んだ濃厚汁なし麺
「磯貝めんちゃんこのかきごや」では「唐泊恵比須かき」は取り扱っていないが、地元・福岡の「糸島産みるくかき」(1kg1,598円)を用意。「糸島産みるくかき」は「九州牡蠣NO.1選手権」で2年連続グランプリを獲得するおいしさで、毎日、隣町である糸島の生産者から40kgが直接届く。そのほか、兵庫県「室津産かき」(1kg1,490円)、「広島産かき」(1kg1,296円)も合わせて1日約400kgの牡蠣を仕入れており、連日完売となっている(※炭代として、別途ひとり108円必要)。
牡蠣小屋に来たならば、「焼き牡蠣をおなかいっぱい食べるぞ!」という人も多いだろうが、「磯貝めんちゃんこのかきごや」ではちゃんこ風麺屋「博多めんちゃんこ亭」が提案するオリジナル牡蠣メニューにも注目だ。
炭火で3分ホイル焼きして食べる新感覚の「汁なしかき麺」(734円)は、香ばしいゴマの香りがする牡蠣と野菜たっぷりの麺で、中華と和風のいいとこどりした味わい。ダシをたっぷり吸い込むように独自に開発されたモチモチの「めんちゃんこ麺」が、牡蠣の旨味をジュジュジューッと吸収していて食べ応え十分。一口すすると箸がとまらず、やけどしないように食べるのに精いっぱいとなってしまう。
また、「博多めんちゃんこ亭」の特製だしで作る「かき鍋」(1人前950円)も外せない。特製甘口味噌だれをたっぷり牡蠣にかけて味わう一品。澄みきった和風だしに、野菜と味噌の甘味、そして牡蠣の風味が溶け込んでいて、心まで温まるおいしさ。最後はプリモチッとした食感の「めんちゃんこ麺」(151円)を入れて締める。
お店はアルコールもプレミアビールをはじめ、ワイン、スパークリングワイン、焼酎と充実。夜の部は2時間飲み放題制(ひとり1,620円)になり、ビアガーデンと牡蠣小屋をミックスした雰囲気が楽しめる。営業は2015年3月31日まで(12月31日、1月1日は休み)。地元の人はもちろん、近々福岡出張がある人は今だけの味を思う存分楽しんでみては?
※記事中の情報・価格は2014年11月取材時のもの。価格は税込