女優の和久井映見が、3日に放送されたTBSの番組『オトナの!』(毎週水曜25:46~26:16)で、20年ぶりに主演ドラマ『夏子の酒』の舞台を訪れた。

20年ぶりに思い出の地を訪れ、感動の涙を流した和久井映見

中田英寿が古き良き日本の文化を体験し、日本の新しい形を世界に発信するプロジェクト"ジャパング"。その一環として、和久井と共に新潟の各地を訪問した。幼少期を新潟県栃尾市で過ごしたという和久井。連続ドラマの初主演を果たしたのが、1994年1月クールのフジテレビ系ドラマ『夏子の酒』で、その舞台が新潟だった。原作は、尾瀬あきらの同名漫画。和久井演じる佐伯夏子が、コピーライターを辞めて実家の造り酒屋を継ぎ、数々の試練を乗り越えていく様を描いた。

原作のモデルとなった和島村・久須美酒造でロケを行ったり、原料である米を育てるところから撮影したりとリアリティを追求したことでも知られる同作。撮影で約1年過ごした思い出の地を、和久井は20年ぶりに訪問した。酒蔵の前で出迎えたのは、当時出演者やスタッフから"若"と呼ばれていた久須美賢和氏。現在は久須美酒蔵の七代目社長を務めている。

久須美社長から「おかえりなさい」と言われると、和久井は「ずっと思いながら、まだ一度も来られてなかったので…」と目に涙を浮かべ、「当時のこととか、みんなあの作品に関わった人たちがきっと胸の中に大事に持ったままいると思います。私だけ一人でお邪魔しちゃってすみません」「絶対泣いちゃダメなんですけど…」と涙をぬぐった。

20年前に記念樹として酒蔵に植えた桜の木。和久井が「20年で!?」と驚くほど、現在は見上げる高さにまで成長し、ここ2~3年で花が咲き始めたという。久須美社長は「きっと、今日のことを予測していたのかもしれません」と自身の気持ちを重ねながら、「和久井さんが夏子のヒロインを演じてくださったことによって、世の中の若い女性が『私もやりたい』と殺到したそうです」と当時の反響を振り返り、「日本酒業界の立役者です」とたたえた。

思い出の土蔵造りの酒蔵があった場所は、現在は更地に。2004年7月13日に発生した豪雨災害「7.13水害」で倒壊したことを知ると「そうですか…」と再び涙する和久井。久須美社長は「あれからいろいろなことがあったので。自然災害に3度やられてしまったので、少し当時とはね」と淡々と説明し、「でも、きれいになったでしょ?」と誇らしげにそのほかの建物を紹介した。

旅の締めくくりに、久須美社長が造った純米吟醸・清泉「七代目」を味わいながら「普段カメラの前でお見せすることがないような姿を皆さんに見ていただいてしまって、ちょっと恥ずか恥ずかしいんですけども…」と照れ笑い。「(20年は)とっても重みのあることですし、自分が知らないこともたくさんあって。知らないのはもったいなかったなと思って。いろんな勉強をさせていただいて、とても幸せです」と貴重な機会に感謝した。