プレビュー版公開から4カ月半、Nexus 9と共に「Android 5.0 Lollipop」が登場した。マテリアルデザインを採用してユーザーインターフェイスを刷新、Googleが「Android史上最大のアップデート」と謳うLollipopでAndroidはどのように変わったのか。しばらく使用してみた感想を交えて紹介する。
紙っぽくないのに紙!? マテリアルデザインとは
Android 5.0 Lollipopは2つの目的を持ったアップグレートと言える。1つは、スマートウォッチからTVまであらゆるスクリーンサイズのGoogle製品に共通のUIをもたらす新しいデザインガイドライン「マテリアルデザイン」へのシフト。1人が複数のデバイスを使いこなす時代への対応である。もう1つは、常に持ち歩くモノとしてスマートフォンやタブレットをより使いやすくすること。例えば、素早くチェックできて対応できる通知機能、安全かつ簡単に解除できるパスコードロックなどだ。そうした日々の使用を円滑かつ効率的にする新機能を備える。
見た目がフラットに生まれ変わったが、ウイジェットが並ぶホーム画面、ロックスクリーン、通知パネル、アプリパネルといった基本構成に変更はなく、Androidユーザーが基本的な使い方に迷うことはない。ただし、使い込むほどにじわじわとAndroid 5の便利さ、これまでとの違いに気づく |
マテリアルデザインでAndroidも「iOSと同じようにフラットになった」と言う人は多い。たしかに、見た目だけで判断したらiOSを追いかけるようにAndroidもフラットデザインになった。だが、実際に使ってみるとマテリアルデザインとiOSでは方向性が違うことに気づく。AppleのデザインチームはiOS 7でフラットデザインを採用した際に、現実のオブジェクトを模倣するスキューモーフィズム(skeuomorphism)をiOSから追放した。一方、Googleのデザインチームは「紙」から発想を得たと述べている。同じフラットデザイン化でも、Androidは現実のオブジェクトを取り入れている。