顧客満足度(CS)に関する国際的な調査・コンサルティングの専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(以下、J.D. パワー)は、2014年11月25日 ザ・リッツ・カールトン東京にて、自動車産業の最新動向とCS改善事例を紹介する「J.D. Power Asia Pacific ベスト・プラクテス・セミナー」を開催した。同セミナーは、ゲストスピーカーを招いた「セッション」と、J.D. パワーが実施したCS調査において第一位となった国内自動車関連企業を表彰する「J.D. Power Automotive Award 2014」の二部構成。
今後の自動車市場を占う3セッションに、のべ100人が参加
第一部のセッションでは、今後の国内自動車市場の展望や事故・不具合の再発防止対策、そして自動車品質調査などから得られた諮詢について、2名のゲストスピーカーとJ.D. パワーのアナリストが講演を行った。その簡単な内容を以下に紹介する。
・セッション1
「日本市場の展望と自動車メーカーの挑戦」
20年に渡り自動車産業での活動を実施してきた「株式会社ナカニシ自動車産業リサーチ 代表 兼アナリスト 中西孝樹氏」による、グローバルな企業競争力を生み出す自動車経営システムについての講演。
・セッション2
「ANAビジネスソリューション株式会社 営業本部 人材・研修事業部 参与 山内敏幸氏」 によるヒューマンエラー対策と、それを具現化するANAの考え方について事例を交えての紹介。
・セッション3
自動車ユーザーに高い満足感を提供し、ロイヤリティなどを高めるために必要なものについて、「株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック シニア・ディレクター 川橋 淳氏」が、同社が実施した調査結果に基づいて解説。
各セッションには、日本国内の自動車関連企業の関係者がのべ100人が参加。熱気に満ちたセッションとなった。
各分野のCS調査において第一位に輝いた22部門9企業が表彰
各セッションに続いて開催された「J.D. Power Automotive Award 2014」では、J.D. パワーが2014年に実施した国内自動車関連企業の顧客満足度(CS)調査*1において、各分野第一位に輝いた企業(ブランド)の表彰式が開催。第3回となる今回は22部門9企業が表彰されトロフィーが授与された。
以下に、各部門の受賞企業(ブランド)と、代表者による表彰後のコメントを紹介する。
*1…延べ78,386名(一部法人ユーザー含む)からの回答による調査結果。
受賞企業(ブランド)代表者コメント
<プレゼンター>
J.D. パワー・アンド・アソシエイツ アジア・パシフィック バイス・プレジデント ジェネラル・マネージャー ジェフ・ブロデリック氏
株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック 代表取締役社長 鈴木郁氏
●2013年日本大型トラック顧客満足度調査
受賞ブランド:日野
代表者:日野自動車株式会社 国内営業部 販促企画室長 大野 良樹氏
受賞コメント:「まずは、日夜、お客様の第一線でご活躍いただいている販売会社の皆様に感謝します。また、日頃から弊社の商品・サービスを評価いただき、ご愛顧いただいているすべてのお客様に感謝を申し上げます。」
●2014年日本冬用タイヤ顧客満足度(W-TSI)調査
受賞ブランド:ミシュラン
代表者:日本ミシュランタイヤ株式会社 広報部長 加藤 久美子氏
受賞コメント:「私たちは日本では30年以上スタッドレスタイヤを販売しておりますが、まだまだ日本市場での存在は小さなものです。そのような中で、このような賞をいただけるのは、社員の励みにもなります。」
●2014年日本自動車セールス満足度(SSI)調査
・ラグジュリーブランド
受賞ブランド:レクサス
代表者:トヨタ自動車株式会社 レクサス国内営業部 部長 成瀬 明氏
受賞コメント:「昨年に引き続き受賞させていただきましてありがとうございます。引き続き受賞できますように、全国の販売店の皆様と力を合わせて頑張っていくとともに、レクサスを応援いただいているオーナーの皆様に感謝申し上げます。」
・量販ブランド
受賞ブランド:MINI
代表者:ビー・エム・ダブリュー株式会社 MINI本部長 フランソワ ロカ氏
受賞コメント:「MINIは面白いブランドです。お客様の満足度ということを中心に、私どもも毎年頑張っております。今年はレクサス様と同時に受賞することができ非常に光栄です。本当にありがとうございます。」
●2014年日本自動車サービス満足度(CSI)調査
・ラグジュリーブランド
受賞ブランド:レクサス
代表者:トヨタ自動車株式会社 レクサス国内営業部 部長 成瀬 明氏
受賞コメント:「レクサスはまだまだ新しいブランドであり、我々はチャレンジャーだと思っております。今日ご参画の皆さんのお知恵も借りながら、引き続き努力をしてまいります。」
・量販ブランド
受賞ブランド:MINI
代表者:ビー・エム・ダブリュー株式会社 MINI本部長 フランソワ ロカ氏
受賞コメント:「MINIは日本の皆さんにとっては小さいブランドであろうかと思っております。ですが、我々は全世界のどこでも、サービス水準が一緒であることが大切だと考え、それに向かって頑張っています。」
●2014年日本自動車商品魅力度(APEAL)調査
・軽自動車
受賞ブランド:ホンダN-ONE
代表者:本田技研工業株式会社 主研 N-ONE エクステリアデザイン責任者 蔦森 大介氏
同 インテリアデザイン責任者 金山 慎一郎氏
受賞コメント:蔦森氏「N-ONEは、われわれの情熱だけで作ったようなモデルです。それが、このような賞をいただけて大変嬉しく思います。これからも、人の気持ちを豊かにするような車を作っていきたいです。」
金山氏「いつまで長く愛着を持って乗ってもらいたい、というところと、軽(軽自動車)を感じさせない、軽を超える、を合言葉に、皆で作ってまいりました。それが、こういった形で賞をいただき嬉しく思っています。」
・ミッドサイズ
受賞ブランド:フォルクスワーゲンゴルフ/ゴルフカブリオレ/ゴルフヴァリアント
代表者:フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 広報部長 丸田 靖生氏
受賞コメント:「評価をしていただいたお客様に感謝を申し上げるとともに、機会を設けてくださったJ.D. パワーに感謝します。ゴルフはおかげ様で好調で、お客様にも支持を受けているので、今後とも頑張っていきたいです。」
・ミニバン
受賞ブランド:ホンダオデッセイ
代表者:本田技研工業株式会社 主研 ODYSSEYパワープラント開発責任者 新地 高志氏
受賞コメント:「5代目のフルモデルチェンジとなった今回は、ユーティリティ価値と乗用価値を高い次元でバランスを取ることを目標にしました。今回の受賞は、我々が目標にした車が評価されたと考えております。」
●2014年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査 自動車メーカー純正ナビカテゴリー(OEM)
・ラグジュアリーブランド
受賞ブランド:レクサス
代表者:トヨタ自動車株式会社 第1電子開発部 第1電子開発室 室長 小林 正人氏
受賞コメント:「まずは、仕入れ先の方、販売店の方、そして何よりお客様に感謝を申し上げます。ただ、まだまだやることはたくさんあると思っています。この賞がある限り受賞できるように精進してまいります。」
・量販ブランド
受賞ブランド:スバル
代表者:富士重工業株式会社 取締役 専務執行役員 スバル技術本部長 武藤 直人氏
受賞コメント:「我々はナビ/インフォメーションが苦手で、しばらく厳しい評価をいただいていました。今回、勉強を積み重ねた結果の受賞ということで、やはりお客様の信頼は一歩一歩の積み重ねによって得られるものだなと感じています」
●2014年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査 市販ナビカテゴリー(アフターマーケット)
・据え置き型ナビ:アルバイン ビッグXシリーズ
代表者:アルパイン株式会社 相談役 石黒 征三氏
受賞コメント:「今回、私どもは1000点満点中573点で賞をいただきました。これはつまり、お客様の考えとは、まだ427点のズレがあることになります。これを一つの判断材料として、これからも頑張っていきたいと考えています。」
●2014年日本リプレイスタイヤ顧客満足度調査
・軽自動車/コンパクトカー
・ミッドサイズ
・ラージサイズ:ミシュラン
代表者:日本ミシュランタイヤ株式会社 広報部長 加藤 久美子氏
受賞コメント:「幅広いセグメントで評価をいただいたということは、ミシュランが理念とする、トータルパフォーマンスが評価されていると考えています。これからも同様に多くのセグメントで受賞できるよう、まい進していきます。」
・ミニバン:ブリヂストン
代表者:株式会社ブリヂストン 広報部 広報第2課 課長 住田 真彌氏
受賞コメント:「このような賞をいただき大変光栄に思っております。お客様からの評価をいただけたことは、メンバーにとっても励みになります。これからも皆様に少しでも喜んでいただける商品を作っていきます。」