Spire Research & Consulting(本社/シンガポール)は12月1日、インド、中国、マレーシアの3カ国の女性経営者および管理職についての調査を取りまとめ、その結果を発表した。
キャリアアップには勤務体制の多様性が必要
同社は、ASEAN、アフリカ、中東、中南米など新興国市場に特化したリサーチを行っている。今回、インド、中国、マレーシアの各100名、合計300人を対象に調査を実施した。
教務体制についてフレックスタイムや在宅勤務など働き方の多様性が必要であるか尋ねたところ、インドでは44%、マレーシアは55%、中国は46%が「そう思う」と回答した。3国共通で女性のキャリアアップには勤務体制の多様性が求めていることが分かる。
各国の「ワークライフバランス」について聞くと「ワークライフバランスがとれていない」と答えた国は中国が85%と最も高く、マレーシアは43%、最も低かったのはインドで12%だった。
職場における男女差別問題について尋ねると、中国では42%、インドは21%、マレーシアは35%が「感じる」と回答している。インドでは、男子校の卒業生で構成される「オールド・ボーイ・ネットワークの存在」で情報が女性を含めた外部に共有されないことが問題であるという人が38%みられた。
3カ国とも出産・育休後に同じ地位に復帰することを望む
管理職についている女性のロールモデル(模範となる女性)について聞くと、インドでは51%、中国では23%もの女性たちが「ロールモデルがいない」と回答した。ロールモデルがいると答えた女性たちは女性ジャーナリストやすでに活躍している女性CEO、またマレーシアでは「母や姉」など身近にいる人を挙げている。
各国の女性たちは現状の仕事環境をどのように改善したいか具体的に尋ねたところ、3国とも女性が出産・育休後に同じ地位に復帰することを求めていることがわかった(中国57%、インド63%、マレーシア47%)。インドでは「男女差別とハラスメント社内ホットラインの設立」を26%が求めており、実際に差別にあっている女性が多くいることを示唆している。