今年で18回目を迎える茨城県・大洗町の恒例のお祭り「大洗あんこう祭」が11月16日に開催され、TVアニメ『ガールズ&パンツァー』が3年連続で参加を果たし、声優を務めるキャストたちによるトークショーが行われた。

左から井口裕香、中上育実、渕上舞、茅野愛衣、尾崎真実

「大洗あんこう祭」は、11月から旬の時期を迎える地元の名産あんこうの吊るし切りが披露され、あんこう汁やあんこう鍋を楽しむイベントで、大洗町が舞台のTVアニメ『ガールズ&パンツァー』は2012年から本イベントに参加。作品舞台とのコラボレーションの先がけとなっている。

大洗町・小谷町長

杉山潔プロデューサー

渕上舞

大洗マリンタワー特設ステージでは「あんこう祭」開会のオープニングイベントが行われ、大洗町・小谷町長をはじめ多くの大洗町関係者から『ガルパン』という単語が聞かれ、町への浸透度を伺わせた。開会式には、『ガールズ&パンツァー』の杉山潔プロデューサーと西住みほ役の渕上舞が参加。杉山プロデューサーから感謝の気持ちなどが述べられた後、渕上による開会宣言が行われた。

その後、同ステージには渕上をはじめ、武部沙織役の茅野愛衣、五十鈴華役の尾崎真実、秋山優花里役の中上育実、冷泉麻子役の井口裕香らメインキャスト5名が登壇するトークショーが開催。彼女たちがこのステージに立つのは今回で3回目となり、多くのファンが大洗マリンタワーに集結した。今回キャストたちが身にまとっていたのはお馴染みの「パンツァージャケット」ではなく、背中にあんこうマークが入ったオリジナルの「モッズコート」を着用。なお、このコートの男性用の販売がステージでアナウンスされると、一週間あまりで予約完売になったという。

トークショーには、2013年のステージでお披露目された大洗町のゆるキャラ「アライッペ」も登場し、出演キャストたちから1周年を祝福する場面も。そして、杉山プロデューサーがステージに登壇し、2014年公開予定の劇場版が2015年夏に変更されたことをお詫びとともに告知した。それに併せて、大洗女子学園の戦車道チームが全員集合し、大洗マリンタワー前広場にて撮影された告知ビジュアルも初公開となった。劇場公開まで少し時間が空くため、「もしスピンオフのお話を作るとしたらどんな話が見たいか」という質問に、キャストたちからは「キャラクターそれぞれの子供時代の話が見たい!」「もし大洗女子学園のメンバーが戦車道と出会っていなかったら……」といった意見が寄せられていた。

また、トークショーでは、プレイヤーが好きなキャラクターと戦車でチーム編成し、フラッグ戦や殲滅戦ルールで試合を行う、スマホ専用の戦略シミュレーションゲーム『ガールズ&パンツァー戦車道大作戦!』が新春から「Google Play」と「App Store」で配信されることも明らかに。また、『ガールズ&パンツァー』のラッピングバスを2台運行している茨城交通の任田社長から、ラッピングバス3号車の運行開始が発表され、ラッピングバス3号車の実物がファンたちにお披露目された。この3号車は高速バスで、すでに宇都宮-水戸間や、羽田空港・東京便も運航しているという。バスは内装まで作品の装飾が施されており、ステージ終了後には、キャストたちが直にサインやコメントを描き込んでいた。そして、2015年1月から関西のABCテレビにてTVシリーズが再放送されることが発表。2015年は劇場版公開を控えた年となるため、今までに放送のなかった局での再放送も検討されているという。

トークショーも最後を迎え、キャストたちからファンへ向けたメッセージが送られた。井口は「劇場版公開までの時間に、今日公開されたスマホゲームで楽しんでみたり、再放送をご覧頂いたり、ほかにも色々なことがあると思いますので、引き続き『ガルパン』を愛していただけたらと思います」とアピール。中上は「今年であんこう祭は3回目となりましたが、当初はこんなに続いていくとは思っていなかった」と感慨深げに語り、永く愛される作品に関われたことを感謝し、「劇場版の公開が来年の夏ということで目標もできましたので、それまでの間にもっともっとファンの方が増えたら良いなと思います」と宣言。

尾崎は「あんこう祭のステージは良い意味でいつも緊張することなく、こんなにも緊張しないホッとした気持ちになるイベントは珍しいです(笑)」とアットホームな雰囲気のイベントに喜び、「今年で3年目でしたが、皆さんと一緒に楽しいお祭りに参加できて本当に幸せだなと思います」とファンに伝えた。茅野は「毎年本当に温かいイベントだなと感じ、ファンの方を見ているだけでほっこりとしてしまいます」と語り、「来年の夏に公開した時には、またこうやって大洗で皆さんとお会いできたらと思います!」とファンとの再会を約束した。

そして渕上は「3年連続でこの場に立たせていただいて、こうして多くのファンの方が長い間応援して下さっている姿を見て、本当に素晴らしい作品に携わらせていただいていることをうれしく思います」と感謝の気持ちを述べ、「これからも『ガールズ&パンツァー』という素敵な作品がずっとずっと続いていけば良いなと思います!」とトークショーを締めくくった。

ステージを終えたキャストたちは、その足で劇中にも登場した大洗磯前神社に向かい、劇場版のヒット祈願。同神社にキャストたちが参拝するのは2度目となるが、各々緊張した面持ちの中、無事に祈願は終了し、キャストたちが描いた絵馬も神社に奉納された。

ほかにも、商店街にはラッピングバスや大洗町で作られた戦車が展示され、まいわい市場でも関連商品が販売・展示されるなど、『ガルパン』に関するさまざまなイベントが催されている。メインステージでは、大洗高校マーチングバンド部「BLUE-HAWKS」による作品楽曲の演奏なども行われ、大洗あんこう祭は大盛況のうちに終了した。後日、主催者から、昨年同様10万人が大洗町に訪れたことが発表された。

(C)GIRLS und PANZER Projekt