一般社団法人日本メンタルヘルス研究センターはこのほど、「受験うつ」に関する調査結果を発表した。同調査では、うつ専門の治療を行うクリニック「新宿メンタルクリニック アイランドタワー」(東京都・新宿)の協力を得て、2013年6月から2014年8月にかけての来院数を集計。また、同センターが定期主催する「受験ストレス対策セミナー」に参加した学生(約50名)へのアンケートなどをまとめた。
厚生労働省の発表によると、日本の気分(感情)障害患者数は1996年には43.3万人、1999年には44.1万人とほぼ横ばいだったが、2002年には71.1万人、2005年には92.4万人、2008年には104.1万人と、12年間で2.4倍に増加した。未成年に関しては、およそ15万人急増している。
「新宿メンタルクリニック アイランドタワー」でも、2013年6月のオープン時と2014年8月とを比較すると、総来院数と学生ともに7倍の増加数となっている。
「受験ストレス対策セミナー」に参加した学生の84%が「『受験うつ』の自覚はない」と回答。自覚はないものの、「親からは成績が落ちたことを指摘されるが、自分は悩んでいないし困ってもいないが、過剰に疲れる」「イライラして落ち着きがない」「家にこもりがちで、夜眠れない」「集中できず、勉強が手につかないし、学校にも行きたくなくなる」などの悩みから「受験うつ」に陥ることが多いという。
さらに近年はうつ病の重症化の結果、自殺するケースも相次いでいるとのこと。警視庁の「平成24年版 平成年齢階級別自殺者数」によると、1999年から2008年の間で、未成年のうつ病を含む健康問題での自殺者は約5倍に増加しており、未成年の気分(感情)障害での自殺者は約4倍にまで増加しているという。