フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」の2015年プロジェクト発表会が27日、東京・お台場メディアージュで行われ、2015の展開とともに、人気アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』チームによるアニメーション映画の制作や「PROJECT ITOH」第三の作品『屍者の帝国』の2015年劇場公開が発表された。
『あの花』チームによる新作オリジナルアニメーションは、発表会のラストにサプライズとして発表。新作は『あの花』に続いて秩父を舞台とした作品となり、タイトルなどは12月3日に開催される「秩父夜祭り」で発表されるという。
『屍者の帝国』は、伊藤計劃氏が残した序文を芥川賞作家・円城塔氏が完結させた作品。発表済みの『虐殺器官』『ハーモニー』に続き、2015年に劇場公開される。この『屍者の帝国』、そして2015年1月9日に完全新作映画として公開される『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』などの劇場作品に注力するため、2015年4月以降のノイタミナ枠は30分一番組枠となる。
そして、2015年4月以降の新番組としては、4月放送の『パンチライン』、放送時期未公開の『乱歩奇譚 Game of Laplace』『すべてがFになる』『甲鉄城のカバネリ』が発表されている。
『パンチライン』は"パンツを見たら人類滅亡"というノイタミナらしからぬコンセプトで、アニメーション制作は『残響のテロル』『神撃のバハムート』のMAPPA、音楽を小室哲哉が担当。森プロデューサーからは「おパンツミート小室哲哉」との衝撃の発言もあった。
『乱歩奇譚 Game of Laplace』は、江戸川乱歩原案を脚本・上江洲誠氏、監督・岸誠二氏の岸組がアニメ化、アニメーション制作はLercheが担当する。現在TVドラマが放送中の『すべてがFになる』は、森博嗣氏原作の有名ミステリ作品を監督・神戸守氏 制作はA-1 Picturesでアニメ化。『甲鉄城のカバネリ』は監督・荒木哲郎氏で、脚本は大河内一楼氏が担当、アニメーション制作はWIT STUDIOが手がける。
「PROJECT ITOH」のスタッフと第三の作品『屍者の帝国』2015年公開を発表
さらに今回の発表会では、ノイタミナ元編集長の山本プロデューサーと新編集長の森プロデューサーからさまざまな新展開も明らかに。まずはノイタミナ枠10周年記念企画として、ノイタミナ歴代主題歌リクエスト・ベストCD「ノイタミナFAN BEST」の制作が決定。投票サイトでファンが選んだ人気ベスト30の楽曲を収録する。
ノイタミナMOVIEコーナーには、劇場版『サイコパス』より常守朱役の花澤香菜が登場。花澤は、現在放送中の『PSYCHO-PASS サイコパス 2』での常守朱について、「いなくなってしまった狡噛さんの影を追いながら一人で全部を背負ってがんばって、強くなったと思います」と述懐。そして、『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』の予告映像を「今までの朱ちゃんが1期、2期を経て劇場につながっていく感じがぞくっとしました」と感動の面持ちだった。さらに、本予告と銘打った新規映像が公開されると、本編内容を把握している花澤は「面白いですよ♪」とほくそ笑み、「劇場版は2期を乗り越えた朱ちゃんの物語なので、2期を最後まで見届けてください」とアピールした。また、『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』の完成披露試写会は、12月19日に行われることもアナウンスされている。
花澤といえば、今年3月のノイタミナ発表会で伊藤計劃作品を劇場アニメ化する「PROJECT ITOH」の発表時にナレーションを担当。ここでシークレットゲストとして、先日放送された「PROJECT ITOH」CMでナレーションを担当した櫻井孝宏が登場し、そのまま「PROJECT ITOH」のコーナーへ突入。櫻井は『サイコパス』で演じていた槙島聖護の名前を出し、「命の輝きを求めていた槙島なら、伊藤計劃さんは必ずリスペクトしていたと思います」と語っていた。
ノイタミナMOVIEコーナーでは「PROJECT ITOH」のスタッフを発表。『虐殺器官』は監督村是修功、アニメーション制作はmanglobe、『ハーモニー』はなかむらたかし/マイケル・アリアスが監督、アニメーション制作はSTUDIO 4℃、『屍者の帝国』は監督牧原亮太郎、アニメーション制作WIT STUDIOの体制で、全作品が2015年中に公開される予定。
『四月は君の嘘』と『冴えない彼女の育てかた』の1月期主題歌アーティストを発表
2015年1月新番組トークコーナーには、『四月は君の嘘』から井川絵見役の早見沙織、相座武士役の梶裕貴、『冴えない彼女の育てかた』から澤村スペンサー英梨々役の大西沙織、加藤恵役の安野希世乃が登場し、作品の魅力についてそれぞれに語っていった。
『四月は君の嘘』の2人が担当するのは、発表会同日の放送以降に活躍する、公生のライバルキャラクターたち。梶は「この作品の中では青春がキラキラしていますね。武士は逆立った金髪にドクロのシャツという派手な外見の印象とは違う繊細なピアニストです。子供の頃から公生のライバルで、ピアニストで主人公のライバルといえばクール系と思いきや、武士は努力型の熱い男です」と明かし、早見は「絵見ちゃんは小さい頃に公生たちに出会ってピアノの道を志した子で、負けん気が強いです。今までの放送の絵見ちゃんは激しい言葉が多いんですが、本心はまっすぐで、目標に向かって努力して自分の力で成功を掴み取るような女の子です」とそれぞれが演じるキャラクターを紹介した。
また、プロ演奏の実写映像を取り込み、映像に重ねながら作画していく『四月は君の嘘』独特の制作過程と、実際のアニメーションを紹介。ハイクオリティな映像に会場とステージからは拍手が巻き起こる中、梶は「幼い頃から公生とライバルだった武士と絵見の想いがモノローグになっていくのも見てください」と見どころを語っていた。
『四月は君の嘘』の新発表として、1月から放送の第2クールオープニングが横浜出身のアーティスト・コアラモードのデビュー・シングル「七色シンフォニー」、エンディングが沖縄のアーティスト・7!!(セブンウップス)の「オレンジ」に决定。そして、2015年4月5日には、『四月は君の嘘』フィナーレイベントが開催されるという。
『冴えない彼女の育てかた』から登場した大西は「ただの青春ラブコメには収まらない作品。笑ったり悶えたりはできる新しいノイタミナ作品になると思います」、安野は「原作はライトノベルに挑戦しているライトノベルという印象。原作が丸戸さんだけあってマニアックなところもありますが、恵はオタク知識がまったくなく、ノイタミナをご覧になっている皆さんのとっかかりになるキャラクターと思います」と作品をアピール。トークでは影が薄い恵の不遇な扱いや、英梨々の絶対領域などについて盛り上がっていた。
『冴えない彼女の育てかた』の新発表としては、放送開始が1月8日の木曜日で、第一話は原作にはないオリジナルエピソードになるという。オープニングテーマが春奈るなの「君色シグナル」、エンディングテーマが沢井美空の「カラフル。」になることが発表されている。