公的年金の積立金を市場運用する年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)は25日、2014年度第2四半期(7~9月期)の運用結果が3兆6,223億円の黒字になったと発表した。国内外の株式の上昇に加え、外国債券の運用が好調だった。

収益率は2.87%で、黒字は2四半期連続。市場運用分の内訳は、国内債券が3,152億円、国内株式が1兆2,892億円、外国債券が8,108億円、外国株式が1兆1,779億円となった。

平成26年度第2四半期運用状況の概要(出典:年金積立管理運用独立行政法人Webサイト)

9月末時点の運用資産額は過去最高の130兆8,846億円。また、自主運用を開始した2001年度以降の累積収益額は41兆2,860億円となった。

資産構成割合を見ると、国内債券は48.39%と初めて50%を下回った。GPIFは、2014年10月31日に基本ポートフォリオの見直しを発表したが、それ以前に国内債券の売却を行っていたとみられる。このほか、国内株式は17.79%、外国債券は11.84%、外国株式は16.98%などとなった。

各資産の運用環境を見た場合、国内株式については、第1四半期のGDPがマイナス成長となった影響からやや下落する局面があったものの、通期で見ると、米国の堅調な株価や対ドルでの円安進行を背景に上昇した。一方、外国株式については、7月はウクライナ情勢の影響を受けて米国やドイツなどで下落したが、8月に入ると懸念が和らいだことなどから反発。通期で見ると、円ベースではドルの上昇によりプラス幅が拡大した。