帝国データバンクは25日、消費税率引き上げ後の仕入・販売価格に関する企業の動向調査の結果を発表した。それによると、小規模企業ほど収益環境が悪化していることがわかった。
2014年10月の仕入単価および販売単価が1年前と比べてどの程度変化したか聞くと、仕入単価は平均3.7%上昇した一方、販売価格は平均0.6%の上昇にとどまり、収益環境(販売単価-仕入単価)は厳しさを増していることが明らかになった。
その傾向は小規模企業において顕著で、収益環境はマイナス3.8ポイントと大企業(マイナス2.3ポイント)を1.5ポイント下回った。販売価格の差はあまりみられない中、特に仕入単価の上昇が小規模企業の収益を圧迫している状況がうかがえる。
業界別に見ると、不動産、建設、製造が非常に厳しい収益環境にあることが判明。卸売や小売などの川下産業に比べて川上産業の方が収益環境は厳しく、川上産業が自社利益を減らすことで吸収している可能性があるとみられる。
1年後の販売単価は平均1.7%の上昇を予想。規模別では、小規模企業が2.1%とやや強気の予想をしていた。業界別では、コストアップの続く建設で販売価格への反映が顕著である一方、金融やサービスでは依然として厳しい見方を崩していなかった。
また、消費税率8%への引き上げで経常利益が「減少」した企業は36.9%に上り、特に小売では61.5%に達していた。
調査期間は2014年10月20日~31日、有効回答企業数は1万755社(回答率46.1%)。